若者への日本酒「とびら」完成 低アルコールで飲みやすい 福知山公立大生ら産学連携で開発

2026年06月27日 のニュース

 福知山公立大学の学生らが産学連携で開発を進めていた日本酒「~はじめまして、日本酒~『とびら』」が完成した。若者が日本酒に親しむきっかけとなるよう、アルコール度数を抑えながらも香りや味わいを楽しめる、飲みやすい酒に仕上げた。

 この取り組みは、若者の日本酒離れを受けて2021年度に始動した「若者酒づくりプロジェクト」の第4弾。若宮酒造=綾部市=や福知山公立大学、京都工芸繊維大学、綾部高校が連携して昨年5月から開発を進めた。

 公立大からは地域経営学部、谷口知弘教授のゼミに所属する4年生の小野雄二朗さん、久保田竜生さん、山崎美季さん、上廣萌久さんが参加。商品企画やマーケティング、商品名、ラベルデザインの考案を担い、工芸繊維大生がラベルデザイン制作、綾高生が酒米「五百万石」の栽培を担当した。

 公立大生たちはまず、20歳~25歳の男女を対象にアンケート調査を実施した結果、「アルコール度数が高くて酔いそう」「年配の人が好むもの」などの先入観があることが分かった。また、若者が日本酒に求めるものとして、「飲みやすさ」や「手軽さ」を重視する傾向が明らかになった。

 これまでのプロジェクトでは、日本酒をジュースなどで割って飲むカクテルベースの商品も手掛けてきたが、今回は「日本酒そのものを楽しんでもらう」ことを重視。低アルコールで容量も少なく、初めてでも手に取りやすい商品をめざした。

 アルコール度数を抑えながら日本酒らしい風味を残すことは容易ではないが、若宮酒造の醸造技術により、アルコール度数12%に抑えながら、リンゴを思わせる爽やかな香りと日本酒らしい味わいを両立させた。

 商品名とラベルにも工夫を凝らした。学生たちはアイデアを出し合いながら検討を重ね、「日本酒の奥深さに触れる最初の『とびら』になれば」との思いを込めて命名。そのコンセプトをラベルデザインにも反映した。

 すでに市内外のイベントで試飲会も実施しており、若者だけでなく普段から日本酒に親しむ世代からも好評を得ているという。

 小野さんは「若い世代のニーズを反映した日本酒になったと思う。このお酒だけを楽しんでもらうのではなく、たくさんある日本酒と出合うための入り口になればうれしい。ぜひ気軽に手に取ってほしい」と話している。

全国へ魅力発信、CF実施

 学生たちは、全国の若者に商品の魅力を広く発信しようと、クラウドファンディング(CF)にも挑戦している。返礼品には新開発した「とびら」のほか、酒蔵見学ツアーなどを用意。CFサイト「キャンプファイヤー」で30日まで支援を受け付けている。

 集まった支援金は返礼品の調達費や、今後の活動資金に充てる。

 「とびら」は若宮酒造で一般販売が始まっており、価格は500ミリリットルで1320円、180ミリリットル入り495円(いずれも税込み)。

 今後は福知山市内のスーパーなどでも販売できるよう、販路拡大に向けた交渉を進める予定としている。


写真上(クリックで拡大)=日本酒「とびら」の開発に携わった公立大生たち
写真下(クリックで拡大)=商品名、ラベルデザインにも工夫を凝らした

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