循環型森林整備が本格始動 市寺地区で1500本伐採 秋には苗木を植栽
2026年06月22日 のニュース
京都府福知山市は今年度、林業事業者との協働による循環型森林整備を、市寺地区の森林で始動した。19日には現場見学会が開かれ、地元住民ら約20人が参加。木を「伐る・使う・植える・育てる」という森林資源の循環利用の仕組みや、実際の整備状況を確認した。
2019年施行の森林経営管理法では、森林所有者に対し伐採や造林など適切な経営管理を求める一方、市町村にはその取り組みを支援することが制度化された。
国策により、戦後の拡大造林期に植えられたスギやヒノキが樹齢50~70年を迎え、利用期に入っている。しかし、木材価格の低迷や再造林費用の負担から植林が進まず、若い森林が極端に少ない状態が続いており、人工林でもいわゆる「少子高齢化」が進行する。
こうした状況を受け、市は林業関係者との協議や夜久野町でのモデル事業などを踏まえ、2024年度に「市循環型森林ビジョン」を策定。成熟した森林を計画的に伐採する主伐と、苗木を植える再造林を一体的に進め、35年度までに年間35ヘクタールの主伐再造林を実施する目標を掲げている。
国の業務フローでは、市が契約当事者になるため、事務の必要な手順に時間を要してしまうが、福知山市では、市が調整役に徹し、所有者と林業事業者が直接契約することで事業化までの期間短縮を図る独自の仕組みを導入した。
第1地区目として、市寺財産区、篠尾市寺植林組合、正明寺財産区が所有する森林で今年4月に整備を開始した。約2・9ヘクタールの森林でスギやヒノキ約1500本を伐採し、今秋には花粉の発生量が極めて少ない少花粉スギを植栽する計画だ。
見学会では、市農林整備課の担当者が事業の特徴を紹介。再造林には1ヘクタール当たり約300万円の初期費用が必要とされるが、市独自補助の創設に加え、国、府の補助制度、林業事業者の経営努力を組み合わせることで、所有者負担を実質ゼロに抑えたという。
作業を担うのは、市と推進協定を締結した福知山地方森林組合(中村典之組合長)と伊東木材株式会社(伊東昌紀代表取締役社長)。2者の代表者が伐採状況や植樹後の有害鳥獣対策などについて説明し、チェーンソーによるスギ伐採の実演も披露された。
市寺財産区代表の塩見勧さんは「この山に植林をしてから50~70年が経過している。当時は木材価格が高く、親や祖父たちの世代が地域に財産を残そうと苦労して植林したが、時代が変わり、今では管理の負担になっている。将来を見据え、今整備することが必要だと地域で判断した」と話していた。
市農林整備課は「今後は、市内全域へ広げていきたい。目標数値の達成に向けて、主伐再造林が継続的に行われる体制づくりをめざしていきたい」としている。
写真(クリックで拡大)=伐採した木について説明する林業事業者(右)








