「多くの失敗の経験が糧に」 西武の森脇投手が母校遷喬小で講演

2023年12月07日 のニュース

 京都府福知山市出身で埼玉西武ライオンズに所属するプロ野球選手・森脇亮介投手(31)が4日、母校の遷喬小学校(足立健校長)=石原=で講演した。野球に熱中した小学生時代や夢をかなえるために努力してきたことなどを語り、「たくさん失敗する中で、投げ出さず、あきらめず立ち向かっていくと『これが本物なんだ』と思えるものが必ず見つかる。その瞬間まで夢に向かって突き進んでほしい」と伝えた。

 森脇投手は父や兄の影響を受け、小学2年生から学童野球チーム・遷喬ジャガーズで野球を始めた。日新中学校、京都市立塔南高校、日本大学、社会人野球・セガサミーを経て、2018年に西武に入団し、195試合に登板。今年はシーズン開幕一軍入りを果たし、中継ぎとして好成績を残していたが、7月に右上腕動脈閉そく症を患い離脱。現在は復帰に向けてリハビリに励んでいる。

 森脇投手は久しぶりに訪れた母校を懐かしみ、好きだった給食や苦手な教科など学校での思い出を紹介。3年生で出場した全福知山学童野球大会では1番打者に抜擢され、「試合開始のサイレンと同時で緊張して、1球も振らずに見逃し三振でした」と失敗談を明かした。

 小学生の頃からプロをめざし、「野球ばかりしていました。もうなるもんだ、と思って生活していた」という森脇投手。「『好きこそものの上手なれ』。苦しい時やグラウンドから逃げ出したい時もあったけど、野球が大好きという気持ちはずっと変わらず、『いつか絶対報われる時がくる』とへこたれず練習に打ち込んだ」と学生時代を振り返った。

 西武からドラフト指名を受けたことについて、「うれしかった。やっとスタートラインに立てると思った。不安はあったが、やっていけるという自信もあった」という。セガサミー時代はプロに行けるかどうかで揺れていた時期でもあり、「野手を信じて投げたり、スタンドの応援を肌で感じたり、チーム一丸で試合に臨むようになってからプレーも良くなり、プロ入りにつながった」と仲間の大切さを強調した。

 プレー中はクールな表情の森脇投手だが、「打たれるともちろん悔しい。でも厳しい状況で抑えると、心の中では踊っています」と話して児童たちの笑いを誘い、野球の魅力などの質問に答えた。

 最後に、夢の実現のために多くの失敗の経験が糧になるとし、「好きなことを一つ見つけて、それに磨きをかけてほしい。この先、逃げ出したいことがいっぱいあると思いますが、僕も頑張るので一緒に頑張りましょう」とエールを送った。

 講演は5、6年生127人が聴講。3、4年生は各教室で、タブレット端末を使った中継で参加した。

 キックボクシングに打ち込んでいる6年生の杤岡羽來人君は「あきらめず最後までやり切ることの大切さを学びました。つらくて苦しいこともあるけど、同じことを繰り返さないよう改善していきたい」と話していた。

 

写真(クリックで拡大)
 ・遷喬小学校の児童たちと記念写真を撮る森脇投手
 ・母校で講演する森脇投手

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