台風7号:土砂で古民家全壊 「もし中にいたら…」
2023年08月18日 のニュース
台風7号が14日夜から15日夕方にかけ近畿地方を北上し、京都府福知山市では大江、北陵両地域で多くの被害が発生し、家屋が被災した住民からは悲痛な声が聞かれた。
大江町南四(南有路)地区では、裏山からの土砂崩れで民家が押しつぶされる被害が出ている。普段はあまり使っておらず、災害発生時は無人だったため、人的被害は無かったが、被災した人は「こんな大きなことになるとは」と途方に暮れている。
農業の荒木敏明さん(75)が所有する平屋の古民家。約20年前に購入した。母屋からは約100メートル離れた山際にあり、普段は修験者の道場として使っていて、たまに寝泊まりすることもあったという。
14日から15日にかけての豪雨で、裏山の竹林の土砂が一気に崩れ、古民家を押しつぶしたとみられる。15日朝、隣家の住民から連絡を受け、外に出たところ、古民家が崩壊しているのが分かった。
古民家は築約100年だが、頑丈な造りで、荒木さんは「まさかつぶれるなんて思いもしなかった」。古民家のほか、そばに建っていた2階建ての養蚕場も全壊状態だった。
大江町内ではこれまで大きな水害が何度も発生しているが、荒木さんの自宅周辺では大規模な土砂崩れなどは無かったという。「今回は雨の降り方が違ったので、それが原因しているのでは」と考える。
16日から少しずつ片づけを始めているが、個人では限界がある。荒木さんは「崩れた時に、もし古民家にいたらと思うとぞっとします。無事で良かった」と話している。
写真(クリックで拡大)=押しつぶされた古民家