就職ミスマッチで続く慢性的な人手不足 府の支援窓口「北京都ジョブパーク」に聞く

2023年07月27日 のニュース

 福知山公共職業安定所(福知山・綾部両市)管内の有効求人倍率は、京都府平均を上回る1・4倍程度で推移しているが、求人側と求職者側のミスマッチで慢性的な人手不足状態が続く。就業に関するワンストップ支援窓口となる「北京都ジョブパーク」の現場責任者、キャリアコンサルタントの永野達也さん(40)らに話を聞いた。

 同所管内の職業別有効求人倍率を見ると、事務職など一部の業種は1倍を下回って人手過多だが、製造、建設、サービス、福祉、ITなどほとんどが2倍~6倍で人手不足。全体の有効求人倍率の増減はあっても、この傾向に大きな変化は見られない。

 府が設置する北京都ジョブパークは、福知山市駅前町の市民交流プラザ内にあり、福知山を含む府北部7市町で就職したい人を対象に、相談から職業紹介、就職、職場定着までをワンストップで支援している。ハローワークや市などの関係機関との横の連携を密に活動し、就職相談会や各種セミナーにも取り組む。

 北京都ジョブパーク利用者の主な年齢層は10代~60代と幅広く、転勤族の妻や子育て世代の女性も多い。ミスマッチやキャリアアップのための転職希望、UIJターン、定年後の再就職などの相談に応えている。相談内容で多いのが「自分に合う職種が分からない」「今の仕事がしんどい」というもの。永野さんは「その方の自己理解から掘り下げていきます。そうする中で適職(今の仕事の業務改善を含む)を見いだしていきます」。

 来所者一人ひとりの課題を掘り起こして解決へと導くために、専任の担当者が付く。それによって定職者を増やし、地域全体の働き手確保へとつなげていく。

■UIJターン相談「企業情報ほしい」■

 大学生や専門学校生らのUIJターンを担当する就職支援コーディネーターの安居真紀さん(48)は「新型コロナ禍以降はオンラインでの相談がメインになっていて、北陸など遠方からの利用もあります」と話す。

 一番求められるのは府北部の企業情報で、自分の適職を探している若者が多いとの印象を受けると安居さん。オンラインを活用して情報提供に努め、応募書類を一緒に作ったり、面接練習で支援している。

 各学校にあるキャリアセンターからの紹介で北京都ジョブパークに来るケースもあり、「今の学生はいろいろな人の意見を聞きたいようで、しっかりと応えたい」。

 市町、企業と協力して就職と移住をセットにした情報発信もしている。

■高校生も登録を■

 就職や進学する高校3年生にもジョブパーク登録を呼びかけている。全国的に卒業3年以内の離職率が高止まりしている状況があり、卒業後から切れ目なく支援できるための備えとして活用してほしいという。

 永野さんは「登録があればこちらの初動も早くなる。ぜひ検討してほしい」とする。

 北京都ジョブパーク、電話(22)3815。

 

写真・上(クリックで拡大)=北京都ジョブパーク。相談内容に応じて様々なブースがある
写真・下(クリックで拡大)=「一人ひとりに合った支援を」と永野さん

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