御田植祭で人間国宝が能楽奉納 元伊勢内宮神社
2023年05月12日 のニュース
祭りの途中で、人間国宝の囃子方大倉流小鼓方16世宗家、大倉源次郎さん(65)と重要無形文化財総合認定保持者のシテ方観世流、林宗一郎さん(43)が、田植え作業の一節を表現した「淡路」「猩々」を奉納した。
田植えの儀式は地元の水口剛さん(80)の田で行われた。水口さんが苗の渡し役をし、毛原自治会長の櫻井一好さん(71)と住民の水口裕子さん(61)が手植えをした。
大倉さんは「歴史がある毛原で御田植祭ができたことは大変ありがたく、こうした古式にのっとった儀式を残していくため、全国に発信し続けたい」と言い、林さんは「御田植祭は農作と神事、芸能が一体となった祭りで、きょうは虫が鳴き、鳥がさえずる中で奉納でき、気持ちが届きました」と話していた。
11月16日には内宮神社で奉告祭があり、今回田植えをした神田の稲と、能が奉納される。
写真上(クリックで拡大)=棚田の横で能楽を奉納する大倉さん(前列中央)と林さん(同右)
写真下(クリックで拡大)=田植えの儀式に臨む地元住民