御田植祭で人間国宝が能楽奉納 元伊勢内宮神社

2023年05月12日 のニュース

 600枚の棚田が広がる京都府福知山市大江町毛原で、元伊勢内宮皇大神社の御田植祭が35年ぶりに営まれた。人間国宝らが能楽を奉納。地元住民が、神田となった棚田で田植えをして、五穀豊穣を願った。

 内宮神社の行事だった御田植祭は、1988年ごろに途絶えていたが、能楽師や地元住民でつくる元伊勢能実行委員会が、毛原の地で11日に復活させた。

 御田植祭には実行委のメンバーや市外在住者ら約30人が出席。内宮神社の後藤公一宮司(69)が祭主となり、祝詞奏上などをした。

 祭りの途中で、人間国宝の囃子方大倉流小鼓方16世宗家、大倉源次郎さん(65)と重要無形文化財総合認定保持者のシテ方観世流、林宗一郎さん(43)が、田植え作業の一節を表現した「淡路」「猩々」を奉納した。

 田植えの儀式は地元の水口剛さん(80)の田で行われた。水口さんが苗の渡し役をし、毛原自治会長の櫻井一好さん(71)と住民の水口裕子さん(61)が手植えをした。

 大倉さんは「歴史がある毛原で御田植祭ができたことは大変ありがたく、こうした古式にのっとった儀式を残していくため、全国に発信し続けたい」と言い、林さんは「御田植祭は農作と神事、芸能が一体となった祭りで、きょうは虫が鳴き、鳥がさえずる中で奉納でき、気持ちが届きました」と話していた。

 11月16日には内宮神社で奉告祭があり、今回田植えをした神田の稲と、能が奉納される。

 

写真上(クリックで拡大)=棚田の横で能楽を奉納する大倉さん(前列中央)と林さん(同右)
写真下(クリックで拡大)=田植えの儀式に臨む地元住民

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