チャットGPTを西田副学長が解説 公立大で学外向け勉強会

2023年05月12日 のニュース

 まるで人間と対話しているかのような自然な文章でAI(人工知能)が回答する「チャットGPT」の学外向け勉強会が、京都府福知山市西小谷ケ丘の福知山公立大学で開かれた。講師はAIの専門家で公立大副学長の西田豊明・情報学部教授。実際に使いながら活用方法を説明していった。

 チャットGPTはアメリカの企業が開発したサービス。生成系AIなどと呼ばれる分野の技術で、日本語を含め大量の文章データを学習していて、人間相手のように内容をよくふまえた受け答えをしてくれる。これまでの類似サービスに比べると、何についてでも高度で「賢い」回答を返してくれると話題が沸騰。世界的企業も業務や製品に取り入れだした。

 便利な一方で「マイナス面もあるのでは」と、4月29日から群馬で開かれたG7デジタル・技術大臣会合の主要議題にもなったが、西田教授は「有料版もあるが、まず無料版から入ってみて、どれほどのものか、AIの腕前をみなさん自分で確かめてみてはどうでしょう」と話す。

 万能ではなく、得意なことと不得意なことがあり、例えば福知山公立大学の住所を調べる場合、グーグル検索だとすぐ答えが出るが、チャットGPTは正解が出せない。「鶴亀算の計算式はちゃんと立てるのに、計算を間違える。電卓だったらできるような簡単な計算ができないことがある」と西田教授。「考えごとをしていて、こんがらがってきた時に頭を整理するのには役立つ」といい、複数の言葉を含めた「あいさつ文を作って」といった使い方をすれば能力を発揮すると、実例を紹介した。

 また使い方としては、状況、条件などをなるべく詳しく入力してやり、出してきた回答に更に条件や補足を加えて対話を重ねていくことで「深掘り」ができていく。

 学習にも役立つ。例えば、太陽系の動きを3Dアニメーションで表示するといったプログラムをAIに提案してもらい、それを手元のパソコンで動かして、思った通りに動くまで修正版を提案してもらい続けるという作業を通して、天体の動きに親近感を持ち、プログラミング能力も高めていくという新しい学習方法が考えられる。

 チャットGPTは、「まだ完全ではありませんが、反社会的なことは言わないよう、しつけられています」とした上で、西田教授は「例えば、悩ましい事柄についていろいろな観点からのバランスの取れた提案がほしい場合にはいいですよ」ともアドバイスしていた。

 

■産学官連携組織の参画は31団体に■

 勉強会は公立大が運営する産学官連携組織「北近畿コラボスペース」の事業。2月から本格的に動き出した組織で、勉強会は4月28日と5月1日の2日に分けて初開催し、教育関係者、府北部の行政関係者、民間企業の計22人が受講した。

 コラボは9日現在31団体が参画していて、会員を募集している。今後、大学側だけでなく、会員も講師になって様々な勉強会を計画していくという。問い合わせは北近畿地域連携機構、電話0773(24)7151。

 

写真(クリックで拡大)=西田教授のサポートを受けながら受講者も実際にチャットGPTを体験

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