開館30周年記念 日本の鬼の交流博物館で「酒呑童子展」
2023年05月09日 のニュース
鬼退治伝説の地、大江山の中腹にある京都府福知山市大江町佛性寺、日本の鬼の交流博物館(村上誠館長)は、開館30周年記念の「大江山酒呑童子展」を開いている。鬼退治伝説に登場する鬼の頭領・酒呑童子をテーマにした企画展で、伝説を描いた絵巻や浮世絵などが並ぶ。6月4日まで。
鬼博は、大江山に伝わる酒呑童子、麻呂子親王、日子坐王の3つの鬼退治伝説を町おこしの起爆剤にしようと、旧大江町が1993年に建てた。鬼にまつわる作品や資料を多数所蔵、展示している。
3つの伝説のうち、武将・源頼光に倒された酒呑童子の伝説は有名で、様々な文献が残っている。最古のものは南北朝時代(14世紀)に出た絵巻「大江山絵詞」で、以後、御伽草子をはじめ、歌舞伎や文楽、浄瑠璃などで、主題とされてきた。
企画展には、江戸から平成にかけて作られた絵巻や浮世絵、屏風、ちりめん本、絵本の計30点を展示している。
古いものでは、頼光一行が酒呑童子を退治する一連の流れが描かれた絵本「大江山」(江戸時代中期)=市所蔵=や、上・中・下の3巻あり、長さは全部で30メートルを超える「酒呑童子絵巻」の中巻(同中期~後期)=日本の鬼の交流博物館所蔵=などがある。
また屏風の「大江山千丈ケ嶽酒呑童子由来」(明治時代)=同=は、都から大江山に鬼退治に向かい、酒呑童子の首を切り、都に持ち帰ろうとするまでの様子が描かれており、伝説のあらましがよく分かる。
村上館長(64)は「酒呑童子は一般的には悪のイメージですが、多くの人に愛され、支持されてきました。今後も童子を表に出し、魅力ある鬼文化の発信に努めていきたい」と話している。
開館時間は午前9時から午後5時(入館は同4時30分)まで。入館有料。月曜休館。
写真(クリックで拡大)=鬼退治の様子がよく分かる屏風も並ぶ