雪害から回復、不老長寿の果実「ムベ」 良質期待し住民が受粉作業

2023年04月26日 のニュース

 不老長寿の実と伝わる果物「ムベ」を栽培している京都府福知山市夜久野町の西垣自治会(中島克已自治会長)は、地元のムベ農園で、結実を安定させるための人工授粉の作業をした。一昨年暮れの記録的な大雪の重みで倒れたムベ棚の樹勢が回復し、「今秋は、昨年以上に良質な実が収穫できそうだ」と期待している。

 「地元を元気村に」と自治会活動として始めて7年を迎える。有志が約7アールの休耕田を開墾し、2017年冬に約100本の幼木を植え、試行錯誤しながら栽培を続けて棚状に広がった。昨年は、雪害で被害を受けたムベ棚を、地域を挙げて復旧させ、秋には小ぶりながらも約2千個の赤紫色に熟した実を収穫できた。

 今年の人工授粉は23、24両日に実施し、延べ12人で作業をした。参加者それぞれが柔らかい毛先の筆を手に、おしべを触って花粉を取り、めしべにまんべんなくつけていった。

 今年は積雪の影響もなく順調に育っている。事業部長の衣川秀正さんは「ムベ棚が倒れて以降、何とか軌道に乗せたいと、追肥など管理を徹底しており、今秋には鶏卵より一回り大きな実が収穫できると思います」と話していた。

 収穫するのは10月下旬ごろ。同町小倉の国道9号沿いのドライブインやくので販売する。

 ムベはアケビ科のつる性植物。天智天皇(626-671年)が狩りに行った際、元気な老夫婦に出会い、長寿の霊果として差し出された実を食べ、「むべなるかな(もっともだ)」と答えたことが名前の由来。同自治会では、天智天皇と夜久野の頭文字から「天夜(あまや)」と名付けている。


写真
=筆を手に人工授粉の作業を進める住民有志

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