妻の話は「共感して聞く」 脳読み解く専門家が夫婦円満のコツ解説
2023年01月20日 のニュース

福知山市商工会(日下英明会長)と市が主催する新春経営講演会が16日、京都府福知山市駅前町の市民交流プラザで開かれた。脳の気分を読み解く専門家、株式会社感性リサーチ代表取締役の黒川伊保子さんが、配偶者とコミュニケーションがうまくいかない背景に脳の仕組みがあることを話し、夫婦円満へと導くコツを伝授した。
黒川さんは、人工知能研究者で、脳科学の見地から「脳の気分」を読み解く感性アナリストでもある。脳の働きによる夫婦のすれ違いなどに注目した「妻のトリセツ」といった著書を出している。
演台に上がった黒川さんは、人の脳は選択機能回路のようなもので、とっさに選ぶことができる選択型は二つ、と切り出した。
一つ目は、目の前の問題解決のために今できることに集中する「問題解決型」。二つ目は過去や未来を含めてことのいきさつを繰り返しながら根本原因を探る「共感型」という。
問題解決型は男性に多く、共感型は女性に多い。さらに、職種や立場、その時の身の置き方によって選ぶ型が変わり、「一人の人間がどっちも持っています。中間管理職の人は上司には共感型、部下には問題解決型で接することがあって、周りから見れば変な人に見えてしまう」。
共感型は問題解決型を「結論を急ぐひどい人」と思い、問題解決型は共感型を「無駄話が多い愚かな人」ととらえてコミュニケーションがうまくいかない。実際はどちらも問題解決に向けて動いているのだが、相手にはそれが見えないので誤解を生み、会話の歯車がかみ合わない事態に陥る。
黒川さんは秘策として“人の話は共感で聞く 自分の話は結論から話す”のハイブリッド型の対応を推す。共感型の妻が昔の話を蒸し返したり、いきなり怒り出す場面に遭遇し、まずい答えで火に油を注いでしまう問題解決型の夫を例に、「特に家庭では相手の話は『いいね』『わかる』で受ける覚悟を決めて」とほほ笑んだ。
講演テーマは「感性コミュニケーション~男女脳差理解による交渉力アップ講座~」。ハイブリッド型の対応はビジネスシーンでも役立つとして、来場した約100人が聴き入った。
写真=軽快に話す黒川さん