児童が遊んだ斜面に太古の火山灰層 間もなく閉校の有仁小学校
2021年03月26日 のニュース

京都府福知山市大江町南二、有仁小学校の敷地内に、太古の火山灰地層が露出している。現在の九州から飛んできたものが堆積した新生代第四紀更新世の「加久藤火山灰層」と呼ばれる地層で、粘土化は進んでいるが、火山ガラスはよく残っているなど、貴重な地質資料となっている。
加久藤火山灰層は、約33万年前に九州の霧島火山の北にあった加久藤カルデラの巨大噴火で飛んできた火山灰の層で、灰は長野県まで飛んだ記録がある。
府内では大江町と京丹後市久美浜町で確認されている。
有仁小のは駐車場横の通称「ねんどやま」と呼ばれる斜面で見つかった。横2~3メートル、縦10~20センチほどで、細かい火山灰が堆積している。
斜面は降雪時、児童たちがそり遊びなどで使ってきたが、他の2校との統合により今月末で閉校になる。
同校の火山灰層を調査した地質学者の小滝篤夫さん(72)=観音寺=は「閉校後、斜面が他の用途で削られ、無くなることが心配されます。文化財指定はされていませんが、府レッドデータブックで消滅が危惧されているので、今後もきちんと保存してほしい」と話している。
写真=斜面に露出している「加久藤火山灰層」