給食の時間に誕生日をみんなでお祝い 閉校の有仁小で最後の放送
2021年03月18日 のニュース
京都府福知山市大江町南二の有仁小学校(青木広典校長、42人)は、放送委員の児童が誕生日の児童を紹介して、みんなで祝う取り組みをしている。同校は、大江町内の他の2校と統合して今月で閉校となるため、17日のお祝いの放送が最後となった。
この取り組みがいつ始まったかは定かでないが、長い間続いている。昼の給食の時間に、放送で誕生日の児童を紹介し「ハッピーバースデー トゥーユー」と、放送委員が歌った。
放送が流れると、同学年だけでなくほかの学級からも拍手が起き、全員で祝うという光景が続いてきた。
新型コロナの感染が全国で広がってからは、感染防止のために放送で歌うことができなくなった。このため、委員が誕生日の児童を紹介した後、CDの音源を流す形に変わった。放送委員は4年生以上の児童6人で構成するが、毎日1人が担当し放送室で密になるのを避けている。
17日は4年の荒賀陽斗君が放送を担当し、給食の時間に誕生日の2年生を紹介。2、3年生合計11人の教室(複式学級)では、みんなが拍手をして祝い、ほかの教室からも拍手が送られた。
荒賀君は「自分が祝ってもらった時はうれしかった。みんなで誕生日を祝えたので良かったと思います」と振り返った。
青木校長は「この取り組みは少人数の学校ならではのもので、自他を尊重する心、命の大切さ、家族への感謝などを育むことができました。自分の名前が放送されるのを心待ちにしている児童もいました。学校名の『仁』には思いやりの心の意味があり、統合先の学校でもこの心を育んでほしい」と話していた。
写真=誕生日を祝う放送をする荒賀君