商店街盛り上げに日替わり5店舗“開店” 新町のアーキテンポ

2020年01月04日 のニュース

 空き店舗を活用したレンタルスペース「アーキテンポ」が、京都府福知山市新町商店街で日替わり営業している。農家や製麺所経営者、主婦らによる朝食店、焼き菓子屋、カフェバーなどに姿を変え人気。一帯に活気をもたらしつつある。

 アーキテンポは、毎月第4日曜日に同商店街でマーケットを開く福知山ワンダーマーケット実行委員会が、商店街の活性化を目標に開店。ワンダーマーケットの出店者から定期的に店を出せる個人、団体、店舗を募り、営業を通じてファンを獲得してもらい、空き店舗の多い新町商店街での出店誘致を目指す。

 実行委、地元の有志ら約30人が、元紳士服店の空き店舗を借り、レトロな風合いを生かしてリフォーム。昨年4月に完成させ、2カ月後の6月から本格的に運用している。厨房付きで約80平方メートルの広さ。資金はインターネットでの資金調達「クラウドファンディング」で募り、目標額を上回る多くの支援を受けた。

 現在は、ほぼ日替わりで5店舗が看板を掲げる。また、毎月1回、地元のママ友グループによるフリーマーケット「furimama*」が出店するほか、1、2カ月に1度、実行委がイベントをしている。

月曜日は野菜たっぷり朝食


 月曜日の午前7時から10時までは、大内山田の農家、宮田毅さん(54)、裕美さん(41)夫婦が「ミヤサイ食堂」を開く。野菜尽くしの朝食を提供し、「出勤前に体に優しい朝ごはんを食べて1週間をがんばってもらいたい」という。

 2人は2012年に福知山へ移住し、実行委にも参加。アーキテンポの計画にも関わり、多くの店でアーキテンポを盛り上げられるようにと出店を決めた。「お店が多くなり、新町にもっと人通りが増えればうれしい」と話す。

 料理には丹精込めて育てた無農薬、有機栽培の野菜をたっぷりと使うほか、しょうゆ、みそなども手作りしている。おにぎり、漬物、おやき、総菜、サラダ、みそ汁が基本のセット。680円。

 季節でネギみそおやき、新ショウガご飯、カブの葉の漬物など内容が変わる。

 「安心して食べてもらえる取れたて野菜のみを使っています」と毅さん。裕美さんも「旬を感じて味わってほしい。来年はランチも出せるようにするのが目標です」と笑う。

火曜日はエスニック料理


 火曜日は足立雄平さん(33)=荒河新町=が、エスニック料理の「CALM(カーム)」を出店。午前11時から午後3時までのランチタイム、午後6時から11時までのディナータイムがある。昼はカレー、フォーなど、ご飯、麺類をメインにし、夜にはアルコール類と一品料理を提供する。

 足立さんも初めて食べたときは「見たことがなく、普段したことがない料理で、味に魅かれた」というベトナム、タイ料理を用意している。おすすめはガパオライスとグリーンカレー(各800円)。一品メニューではタイ風焼きそばのパッタイ、生春巻きを推す。

 現地の調味料を使うこと、野菜などの食材は地元産のものをできるだけ使うようにこだわっている。

 地元で店をやりたいと思って始めたといい、「いつも注文してくれる近所の人がいたりして、この場所で店を始めたから出会えた人がたくさんいます。地元でお店を開くのは楽しいですね」と笑顔を見せる。

水曜日はタレラーメン


 水曜日は吉見製麺所=長町=の代表、吉見穣さん(50)が出店。午前11時30分から午後1時30分まで、自家製麺を使ったタレラーメンを提供している。メニューは旨辛、しょうゆの2つが選べるタレラーメン、しめ飯の2つ。

 タレラーメンは、タレと出汁に麺を混ぜて食べる「まぜそば」スタイルで、具には温泉たまご、こま切れ肉の肉みそ、きざみネギを添える。700円。自家製うどんとセット販売していた特製のタレを、ラーメンに使おうと思いついて始めた。

 こだわりは、製麺所にある井戸の水で作った麺。こしが強く滑らかな特徴がある。また、辛すぎないようにするなど、子どもから大人まで、みんなが楽しめる優しい味わいを意識している。

 アーキテンポについては「使い勝手が良く居心地がいい」と言い、「製麺所の近所にあり、地元を盛り上げたいと思って出店しています。この場所がもっと盛り上がればうれしいです」と話す。

日曜日は焼き菓子


 日曜日午前11時から夕方までは、足立あいさん(41)=岡ノ一町=が焼き菓子の「A BAKES(エーベイクス)」を開く。地元産の果物などを使ったマフィンやパイ、ビスケット、クッキー、ケーキを置く。価格は250円から。

 コンセプトは「アメリカなど海外で売られているお菓子」。週ごとに商品を替え、チョココーティング、バタークリームを使ったホールケーキも予約を受ければ作る。

 「食べた人が胸焼けしないように気を付けています。でも、必要なところはしっかりと味付けしたり、バランスを大事にしています」と言い、主にブラウンシュガー、キビ砂糖を使用する。

 「おいしい焼き菓子を楽しんでもらいたい。商品を見に立ち寄るだけでもいいので、気軽に来てもらえたらうれしい」

 将来は自分の店を開くことも考えており、新町商店街も候補地の一つ。「まだ漠然としか考えていませんが、もう少し、まち中が活気づき、盛り上がればうれしいですよね」

水曜から土曜の夜はカフェバー


 水曜から土曜までの夜はカフェバー「Rong(ロング)」が営業している。足立栄さん(40)=北本町二区=が、スタッフと開いていて、「幅広い年代の女性が、夜にゆっくりできる場所にしたい」という。

 水曜のみ午後7時30分からで、木曜から土曜は同7時から。いずれも同11時まで。

 「アサリとキャベツ白ワイン煮」「オレンジのキャロットラペ」など、週替わりで地場産食材を使ったメニューを出す。料理をカウンターに並べ、注文後に仕上げるデリスタイルで種類も和、洋、中と幅広く、「お酒に合う料理を用意しています」と足立さん。

 男性客も歓迎しており、福知山ではあまり見かけないクラフトビール、ジン、麹を使ったスピリッツなどを置いている。地元店舗の焼き菓子、ケーキもある。

 足立さんは「出店者が個性を出せるのがこの場所の魅力です。今はまだ周知をしている段階ですが、スポットがもっと当たるまで地域活性化の手伝いをしたいです」と話す。

 
写真1枚目=紳士服店跡の空き店舗を活用したアーキテンポ
写真2枚目=ミヤサイの毅さん(右)、裕美さん
写真3枚目=CALMの雄平さん
写真4枚目=吉見製麺所の吉見さん
写真5枚目=A BAKESのあいさん
写真6枚目=栄さんのRong

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