光秀の生きざまを紙芝居で
2019年05月25日 のニュース
福知山城を築いた戦国武将・明智光秀の生きざまにスポットを当てた紙芝居が出来上がった。福知山市民でつくる「福知山昔話紙芝居同好会」(植田勝美会長)が制作。本能寺の変で「天下の謀反人」とされる半面、福知山では善政を敷いた名君と慕われており、その功績をユニークな絵とともに紹介している。24日に大江町二俣三の美鈴小学校(村上誠校長)で初上演した。
紙芝居同好会をつくるきっかけになったのは、植田会長(77)が2011年に起きた東日本大震災で、生活していた土地を離れざるを得ない人たちのニュースを見た時。子どもたちに古里の大切さを感じてほしいと、最初は1人で地元の昔話を題材にした紙芝居の上演を始めた。
翌年に同好会を結成。現在は4人で活動していて、これまでに地元の昔話を中心にした20作品を、市内の小学校やイベントなどで披露。上演回数は約270回にのぼる。
今回は、来年の大河ドラマで明智光秀が主人公となることが決まったことから、同好会の会員が「この機会に光秀の善政を子どもたちに伝えたい」との思いを受けて、光秀を題材にした紙芝居の制作、上演を決めた。
紙芝居の絵は大江町南山西部のイラスト作家、滝町昌寛さん(50)に依頼。全部で15枚あり、妻・煕子との仲の良さや丹波平定、由良川の治水、城下での地子銭免除など、光秀の人柄や業績を紹介する約15分の物語になっている。
美鈴小には植田会長ら会員3人が訪れ、全校児童23人と先生たちの前で上演した。児童たちは紙芝居の絵と語りに引き込まれ、上演が終わると大きな拍手を送っていた。
6年の吉田海君は「光秀のことはあまり知りませんでしたが、紙芝居を見て、光秀が良いことをしていたんだということが分かりました」と話していた。
10月には、別のイラストレーターに描いてもらい、光秀の紙芝居の新作を出す予定。植田会長は「明智光秀の紙芝居を上演することで、光秀の半生や戦国時代の地元の歴史などを伝えていきたい」と言う。
写真上=明智光秀を題材にした紙芝居
写真下=光秀の紙芝居を見る美鈴小の児童たち