25mプール13秒で空に 国交省が法川排水機場を増強
2019年05月26日 のニュース
国交省福知山河川国道事務所(矢野則弘所長)は、京都府福知山市蛇ケ端の法川排水機場に毎秒12トンを処理できる排水ポンプを増設。処理能力を毎秒27トンに増強した。
2014年の8月豪雨による市街地浸水を受けて、国、府、市の3者で緊急対策に取り組み、19年度までをめどにソフト、ハード両面の事業を完了させ、8月豪雨規模での家屋床上浸水被害をほぼ解消することをめざしている。
このうち国は事業費約62億円を投じて、法川を含む3排水機場でポンプ能力を、被災当時の計毎秒27トンから54トンに倍増させる。なかでも最大の処理能力を有する法川排水機場では、それまで毎秒12トンだったものを、17年に3トン増やし、今回の12トンを加えて計27トンへ。全機稼働した場合、25メートルプールを13秒で空にできるという。
残る上荒河の弘法川排水機場の9トン増設も現在工事中で、19年度末の完了を見込む。
排水機能が強化されることで被害軽減への期待が高まる。一方で、由良川本流の水位が堤防決壊の恐れがあるほど上がる状況などではポンプは動かせない。同事務所は「ポンプ増強の効果はありますが、それで絶対安心とは考えず、早めの避難行動なども含めた防災・減災意識を持ち続けていただきたい」としている。
写真=増設工事が完了した法川排水機場。手前右側が新たに加わった毎秒12トンのポンプ