大江で国交省が量産型排水ポンプの実証実験

2023年09月06日 のニュース

 国土交通省は、車両用エンジンを採用した「マスプロダクツ(量産品)型排水ポンプ設備」の実証試験を、京都府福知山市大江町蓼原で8月に始めた。内水発生の際に稼働させ、設備の耐久性、操作性などを検証するとともに、地区の内水被害の解消にも役立てる。

 国は、老朽化した排水機場の一斉更新の時期を見据え、自動車産業やポンプ業界と連携し、量産型の排水ポンプ設備の開発を進めている。これまでは特注・受注生産だったが、規格化して量産化。車両用のエンジンを使用することなどから、故障への対応も容易になるという。

 開発を進める中で国交省は、現場実証ができる市町村を公募。福知山市を含む全国6市町が選定された。

 蓼原地区は2017年の台風21号、18年の7月豪雨で甚大な内水被害が発生。国、府、市が連携して対策を講じてきた。今回のポンプ設備の設置で、住民らは「豪雨時のさらなる被害解消につながるのでは」と喜んでいる。

 排気量4千ccのトラックのエンジンを使い、毎秒1トンの水を排出できる。隣接する調整池の水位が2メートルに達した段階で稼働、国交省がデータを記録する。試験は3、4年ほどの予定で、その後は市が施設を引き取るかなど、双方で調整するという。

 試験の開始式が大江町総合会館であり、大橋一夫市長や地元自治会長ら7人が出席。国交省福知山河川国道事務所の犬丸潤所長は「この試験が、内水に悩む地域の一助になれば」とあいさつ。大橋市長も、内水被害の軽減に期待していた。

 

写真上(クリックで拡大)=実証試験が始まった大江町蓼原の排水ポンプ設備(国交省福知山河川国道事務所提供)
写真下(クリックで拡大)=開始式であいさつする犬丸所長

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