「地震で原発に被害」 住民1万2千人参加して訓練

2023年11月27日 のニュース

 京都府は26日、福井県の高浜原発から30キロ圏内にある府北部の5市2町を中心に、原子力総合防災訓練に取り組んだ。マグニチュード7規模の地震で、原発から放射性物質が放出された-と想定。福知山市猪崎の三段池公園では、避難者の検査、車両除染などの訓練をした。

 東日本大震災を経て2013年から本格的に取り組むようになり、各市町の職員、自衛隊、府警など36機関が参加。今年はコロナ禍以前の規模に戻し、地域住民約1万2千人が放送に合わせた屋内退避、検査・除染機能を備える「避難退域時検査・除染場所」への避難などをした。市内では大江町有路下地区が30キロ圏内のUPZ(緊急時防護措置準備区域)になっている。

■市外からの避難者も受け入れ

 避難退域時検査・除染場所になっている三段池公園総合体育館では、綾部、宮津、舞鶴各市からバスで避難してきた人らを受け入れ、放射性物質が体や避難車両に付着していないかを専用の装置で調べ、必要に応じて除染作業をした。また、関係機関との連携、情報伝達も確認した。

 福祉施設や病院に入居、入所している想定の避難者をタクシーで個別に迎え、避難先などを調整する訓練も新たに取り入れ、車いす利用者の受け入れ手順などを確かめた。

 府危機管理部の松村弘毅副部長は「住民と協力した訓練を通じた啓発、安心安全な環境の提供を目的にしています。関係機関との連携を繰り返し確認することも大切で、しっかりと取り組んでいきたい」と話していた。

 

写真(クリックで拡大)=三段池公園では、放射性物質が付いていないか確認した

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