京風懐石 達磨 中山憲秋さん

料理は一生もん
懐石料理は茶の湯の席でお茶を頂く前に出される食事のことで、茶道の心である侘び寂びを料理として表現したものです。最初に修業を積んだ店で、その魅力にひかれ、私もコース料理一本の京風懐石の店を出しました。
「旬の食材を使う」「素材の持ち味を活かす」「心配りを持っておもてなしをする」が懐石料理の三大原則とされています。魚は宮津・伊根に揚がる地の天然もの、野菜は地元産にこだわり、最初から最後まで全部、ていねいな手作りを心がけています。

料理歳時記と言いますか、前菜からデザートまでの流れで、その季節を映す一つの形を作る。盛り付ける器、部屋に飾るお花や軸にも気を配ります。野山を歩くのが好きで、休みの日に三段池公園に出かけたりしますが、そこで出あう季節感を大切にしています。
「おいしかった」の一言を聞くと、やっていて良かったと思います。伝統的な料理もありますが、リピーターのお客さんには同じ料理を出したくありませんから、少し形を変えた料理を考えるようにしています。その繰り返しが勉強になります。つくづく料理は一生もんやと思います。
(談)
匠プロフィール
1957年、兵庫県養父市生まれ。高校卒業後、京都の老舗料亭「高台寺 土井」で8年間、大阪の複数の割烹で4年間料理の腕を磨く。1988年、31歳で独立し完全予約制の「達磨」を開く。
住所/福知山市字西長41
☎0773-23-8234
2019年12月20日 16:00