大阪から移住の石橋さん夫婦 住民の要望を受けカフェ開く 過疎進む地域に憩いの場に 夜久野町稲垣

2026年08月04日 のニュース

 京都府福知山市夜久野町畑の稲垣地区に7月、住民が気軽に集える新たな交流の場が生まれた。この春、大阪から移住してきた石橋博史さん(72)、幹子さん(68)夫婦が、築160年の古民家を活用して開いたカフェで、開業のきっかけは地域住民の「集まれる場所がほしい」という声だった。高齢化と過疎化が進む地区で、憩いの場として期待されている。

 石橋さん夫婦は、博史さんが元バス運転手、幹子さんは喫茶店を営んでいた経験がある。7年ほど前から趣味で全国のキャンプ場を巡るなか、自然豊かな土地での暮らしに憧れるようになり、物件を探し始めた。

 昨年6月に現在暮らす古民家と出合い、「ここしかない」と即決。当初は2年ほどかけて徐々に改修する予定だったが、動画サイトで知識を得ながら床の張り替えや壁の塗装などを自分たちで進め、1カ月ほどで暮らせる状態まで整えた。

 改修中には近隣住民が次々と訪れ、倉庫の片付けなどを手伝ってくれたという。2人は「都会ではなかなか経験できないこと。みなさんの温かさに驚きました」と振り返る。

 当初は東大阪市との二拠点生活を考えていたが、夜久野町で過ごす時間が次第に増え、大阪の住まいを手放し今年3月に完全移住した。

何気ない会話きっかけに

 カフェ開業は住民との何気ない会話がきっかけだった。

 畑地域では唯一の飲食店が2023年3月に閉店し、住民が気軽に立ち寄れる場がなくなっていた。そんななか、幹子さんが過去に喫茶店を営んでいたことを知った住民から「ぜひ店を開いてほしい」との声を受けた。保健所から営業許可が下り、必要な設備を急いで整えた。

 カフェでは、接客は人と話すことが好きな博史さん、調理は幹子さんが担当する。

 店内には2~5人掛けのテーブル5卓を配置。営業は土、日曜日の午前8時から午後2時までで、午前8時から11時まではモーニングを提供する。内容は、トースト、ゆで卵、ヨーグルト、季節の果物、ドリンクが付いて500円(税込み)。

 11時からは地元産野菜を使ったスパイスカレーや日替わりランチを提供し、どちらも飲み物とデザート付きで1千円(同)。

 基本は土、日曜のみの営業だが、5人以上で2日前までに予約すれば平日も営業する。

 幹子さんは「自宅の前には川が流れていて、ホタルも見られる。地域の方からご厚意で貸りた畑で野菜を育てるなど、すごくぜいたくな時間を過ごしています」と話す。博史さんは「開店以降は多くの人に来ていただいており、中には40分以上かけて歩いて来店してくれた人もいた。自分たちも残りの人生を楽しいものにしようと店を開くことに決めたので、できるだけ長く続け、この場所が地域の方々の交流の場になればうれしい」と意気込んでいる。

 店へは福知山市街地からだと、国道9号の夜久野トンネルを通過後、最初の信号を右折し府道707号(小坂青垣線)へ。道なりに進み、畑簡易郵便局前を通過後、車で3分ほど進んだところ。

 店舗近くに無料駐車場もある。



写真上(クリックで拡大)=カフェを開いた石橋さん夫婦
写真下(クリックで拡大)=野菜がたくさん入った「スパイスカレーランチ」

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