大地震への備え、どうする 避難所環境改善や備蓄拡充 福知山市の現状と対策
2026年08月03日 のニュース
熊本県で7月28日、最大震度7を観測する地震が発生し、多くの住民が避難生活を余儀なくされている。大規模地震は、いつ、どこで起こるか分からない。京都府の最新の地震被害想定では、福知山市でも熊本地震と同規模の最大震度7の揺れが想定されている。市は能登半島地震などの教訓を踏まえ、防災対策に力を入れる一方、市民一人ひとりにも「自分の命は自分で守る」という意識を持つよう呼びかけている。
府の想定では福知山でも震度7
京都府が2025年5月に公表した最新の地震被害想定では、上林川断層や三峠断層が活動した場合、市内で最大震度7の揺れを想定している。住宅の建て替えや耐震化が進んだことで、17年前の想定より建物被害は減少を見込んでいるものの、大規模災害への備えは依然として欠かせない。
三峠断層による地震では、死者260人、負傷者1521人、建物全壊1万4065棟と大きな被害が想定される。上水道などライフラインの復旧にも時間を要し、発災から1カ月後も一部地域で断水が続く可能性がある。
度重なる水害を経験してきた福知山市では、これまで水害を中心に避難行動の改善へ取り組んできた。しかし、2024年の能登半島地震で、道路の寸断による孤立集落の発生や物資不足、避難所生活の長期化など、多くの課題があることが浮き彫りになった。
水害対策中心から あらゆる災害対応へ
こうした過去の教訓を踏まえ、市は今年6月、地域防災計画を具体的に進めるための行動指針「大規模災害対応力強化指針」を策定した。水害対策を中心としてきた取り組みを見直し、地震を含むあらゆる大規模災害に対応できる計画へと発展させた。
今後10年間の防災施策の方向性を示すもので、発災前の備えから応急対応、復旧、復興までを4つの段階に整理し、72項目の取り組みを掲げた。中山間地域が多い福知山市では、道路の寸断や集落の孤立が起こることを前提に、避難所環境の改善や物資供給体制の強化を大きな課題としている。
公的備蓄も拡充する。昨年度に見直された京都府の方針に基づき、アルファ米や飲料水、簡易トイレなどを市内各地へ分散備蓄し、3日間の生活を支える体制を整備する。
市民との防災訓練に取り組むほか、マンホールトイレの整備や避難所の空調環境の改善、段ボールベッドの配備、ホテルを活用した二次避難の検証を進める。女性や高齢者、障害者、外国籍住民など、多様な立場に配慮した避難所運営にも力を入れる。
住宅の耐震化も重要な施策の一つだ。建築基準法の耐震基準が改正される前の1981年5月31日以前に着工した木造住宅を対象に、耐震診断や耐震改修への補助制度を設け、建物被害の軽減を図っている。
自分で自分を守る 家庭での備えも重要
一方、市は「行政だけで災害に対応するには限りがある」と強調する。市民に勧めるのは、まず自宅の耐震性を確認すること。寝室には大型家具を置かず、家具を固定し、枕元にはスリッパや懐中電灯、持ち出し袋を備える。
食料や飲料水は最低3日分、できれば1週間分をローリングストックで備蓄し、常備薬や簡易トイレの用意も推奨する。
市危機管理室は「災害時は自助の役割が非常に大きい。最後に命を守るのは自分自身だということを理解し、災害を自分事として捉えて、きょうからできる備えを始めてほしい」と呼びかけている。
写真上(クリックで拡大)=市のイベントで段ボールベッドの組み立てを体験する市民たち(2024年9月)
写真下(クリックで拡大)=トイレやアルファ米などの備蓄品










