就任10年、3期目折り返し 大橋市長へインタビュー
2026年07月16日 のニュース
市財政は厳しさ続くが、産業の発展には手応え
京都府福知山市の大橋一夫市長(72)は、2016年6月の就任から10年が経ち、3期目も任期の折り返しを迎えた。これまでの成果や課題、残る任期への意気込みなどをインタビュー取材した。その内容を一問一答で紹介する。
Q…10年間の取り組みで手応えを感じていることは。
A…立候補した当初から、1市3町合併後の優遇措置が終わることを見据え、財政をどうしていくのかが大きな課題だった。この10年で財政全体が非常に安定したとまでは言えず厳しい状況が続いているが、行政としてさまざまな努力をしてきた結果、まちの発展に結びついてきた。
例えば、長田野工業団地では16年度から25年度にかけて総出荷額は1・5倍、就業者数も1・3倍と大きく伸び、アネックス京都三和でも企業立地を進めた。中小企業に対しては産業支援センターを設置し、商工会議所などと連携して支援を続けてきた。これらの取り組みを通じて、本市の産業が一定の発展を遂げてきたと手応えを感じている。
また、ふるさと納税やネーミングライツなど税外収入の確保にも取り組み、廃校など公共施設の利活用も進めてきた。こうした積み重ねが、近隣市に比べれば人口減少が緩やかなものになっている一因ではないかと思っている。
Q…工業団地の新たな用地確保について検討しているが、今後の予定は。
A…長田野工業団地の用地は限界に来ている。どのような業態の企業からどれだけのニーズがあるのかを把握し、その上で次のステップに進む必要がある。今年度はその調査をしっかり行いたい。
市民との協働を重視
Q…一方で、道半ばだと感じていることは。
A…市政の根幹は、市民のみなさんとの協働。3期目に入ってからは、より正確な情報共有を図りながら、市民とともに市政を進めていくことを重視し、さまざまな取り組みを始めている。
広報だけでなく、広聴も重要。さまざまな手法を活用して市民の声を聞き、それを市政にどう反映させるかが大切。「自分たちの意見が市政に反映されている」と実感してもらえれば、市政への関心や参画意識も高まる。まだ道半ばなので、さらに進めていきたい。
Q…厚生会館に代わる新文化ホールの今後のスケジュールは。今年度中に形にしたいという思いはあるか。
A…現在、サウンディング型市場調査を実施している。今後の具体的な日程は決めていないが、取りまとめを行い、議会や市民に報告する。そもそも再検討委員会を設けたのは、情報伝達や意見聴取が十分ではなかったとの指摘があったため。期限を決めるというよりは、きちんと進めることを優先したい。
Q…今後、企業交流プラザの建て替えや、全天候型公認陸上競技場の整備など、大型ハード事業が控える。財政の見通しは。
A…投資的経費については、それぞれの施設に応じて有利な補助金や交付金、起債も含めて財源を確保し、時期的なことも含めてコントロールしながら進めていく。
幸せ感じられる持続可能なまちに
Q…公約43項目のうち、8割以上に着手した。残る任期への思いは。
A…まずは、公約を着実に進めていきたい。また、市の総合計画「まちづくり構想 福知山」も次期計画の策定に向けた議論を始めた。来年度からの次期計画では、激しい変化の時代の中でも、市民のみなさんが幸せだと感じられるまちづくりをめざすために、今後何を進めていくべきかを定めていく。
公約の実現を進めるとともに、時代の変化に対応しながら福知山市の未来につながる施策を見定め、着実に実行していきたい。
Q…広域連携の必要性は。
A…ひとつのまちでフルセット行政はやれないのは明らかなので、広域連携を進めることは必要。現在、北部7市町連携を進めているが、すべてを7市町で統一する必要はなく、それぞれの課題やニーズに応じ、複数自治体で連携する形もあると思う。
Q…職員体制の縮小にも取り組んでいる。
A…働き方改革を進める中で、人件費も含めてどう適正化を図るかという視点が大切だと考えている。
働く人の価値観は大きく変わっている中、地方公務員の制度が、職員の意欲やモチベーションを高めるものになっているのか、一人ひとりの声に改めて耳を傾ける必要がある。地方自治体で変えられること、変えられないことがあるかもしれないが、前例踏襲ではなく、新しい時代の価値観に合った職場環境を作っていきたい。
Q…次の市長選について、現時点での考えは。
A…まずは、いただいた任期中、市政を前に進め、持続可能な未来に向けたまちづくりに全力を尽くしたい。
写真上(クリックで拡大)=インタビューに応じる大橋市長
写真下(クリックで拡大)=好調な長田野工業団地(写真は2013年。現在はさらに立地企業が増えている)









