福知山ワンダーマーケット 惜しまれつつ終止符 8年の活動に「ありがとう」

2024年12月25日 のニュース

 普段はひっそりとする福知山市の新町商店街に、にぎわいを生み出してきた定期市「福知山ワンダーマーケット」が22日、惜しまれつつ終了した。「最後だと知って来ました」と多くの人が詰めかけ、出店者こだわりの逸品が並ぶアーケードを歩いた。

 「作り手さんから話を聞いて素敵な商品を買いたい」などという声に応えた食と暮らしにまつわる定期市。レトロな商店街の魅力を生かしたにぎわい作りをと、市民らでつくる実行委員会が中心となって2016年10月にスタートした。

マルシェの先駆けのイベントに成長

 当初は月1回の開催。徐々に地域の人たちの認知度が高まり、出店者数も40ブースほどから年々増加。実行委によると、多いときで一日2千人ほどが訪れたという。

 コロナ禍の影響で自粛する期間もあったが、新町商店街の店舗や住民、運営スタッフを務める福知山公立大生などさまざまな人の協力を受け、開催数を調整しながら継続し、市内で開催されるマルシェの先駆け的なイベントに成長。今年は2カ月に1回ほど催した。回数は減ったが、毎回多くの人でにぎわった。

メンバーの負担増仕事の変化で決断

 だが、イベントの規模を拡大するにつれて本業を掛け持ちしながら運営業務を担う実行委の負担が重くなった。また、メンバーのライフスタイルや仕事の変化もあって、今回のワンダーマーケットを最後に8年間の活動に終止符を打つことを決めた。

 最終回の22日は雨模様の中、過去最多の72ブースが出店。アーケードが残る商店街には、午前10時の開始直後から次々と人が押し寄せ、行列を作るブースもあった。一時は道行く人々の肩が触れ合うほどの混雑となり、来場者たちは出店者との会話も楽しみながら好みの品物を手に取っていた。

 8年前からよく通った市内の60代男性は「かつてのにぎわいを取り戻す画期的な取り組みでしたが、今回で最後となり残念です。これまで楽しませてもらい、ありがとうございました」と惜しんでいた。

 新町商店街事業協同組合の公庄祥理事長は「にぎわいのある商店街にしていただき、ワンダーのスタッフさん、学生さんら協力いただいた方に感謝しております。最後は多くのお客様にお越しいただき、有終の美を飾ることができ、ほっとしています」と話していた。

 実行委員会の倉寿和代表は「最後はこれまでにないくらいの多くの人が来てくださり、感謝の気持ちでいっぱいです。商店街の雰囲気とにぎわい、みなさまの笑顔が私たちスタッフの原動力でした。心苦しい判断となりましたが、ここから新たな活動が生まれたらうれしい」と感慨深げに語った。

 

写真(クリックで拡大)=多くの人が詰めかけた最後のワンダーマーケット

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