険しい山道も何のその 奥榎原老人会が中腹の祠清掃
2024年05月19日 のニュース
京都府福知山市奥榎原の、70歳以上の住民たちでつくる老人会・睦月会(足立富雄会長)は17日、地区内の滝山(標高604メートル)を登り、中腹にある不動明王の祠(ほこら)一帯の清掃活動をした。交流ハイキングを兼ねていて、途中の険しい道もみんなで励まし合い、和気あいあいと山歩きを楽しんだ。
奈良時代の養老2年(718)ごろに創建された真言宗・観瀧寺は、慶長年間(1596-1615)に現在の口榎原に移され、それ以前は奥榎原の滝山の山腹にあった-といわれる。
その旧寺があった場所の近く、鉦鼓滝の流れるすぐそばに不動明王を祭る祠があり、古くから地域の人たちに「お不動さん」と親しまれてきた。
30年ほど前までは老人会の女性部員たちが年に一度、祠まで登って清掃活動をしていたが、徐々に参加者が減り、近年は足立会長(75)を含む役員たち数人で手入れを続けていた。
新型コロナウイルス禍で外出や人と関わる機会が減ったことを残念に思っていた足立会長は、「山登りを通じて交流の場になれば」と、今回初めて清掃活動への参加を会員に呼びかけてみた。すると、下は71歳、上は85歳の計23人が集まった。
■小川や倒木越え山登り楽しむ■
会員たちは奥榎原公会堂に集合したあと、数台の車に乗り合わせて標高150メートルほどにある登山口へ移動。準備を済ませると一列になって登り始めた。
最初はなだらかだった山道は、進むにつれて勾配がきつくなっていく。橋を渡って小川を越え、倒木をくぐったりして、登山道はスリル満点。滝山に初めて登る人も10人ほどおり、みんなで声を掛け合いながら、慎重に歩を進めていった。
標高300メートルほどに位置する祠には30分ほどで到着。会員たちは持参したほうきや熊手で落ち葉を集めたりしてきれいにし、花や線香を供えたあと全員で般若心経を唱え、地域の平和などを祈った。
帰り道も転んだりしないように注意して、無事に下山。参加者からは「思ってたよりも良かったな」など楽しそうな声が聞かれたほか、「しんどかった」という人に対しては「しんどくないと値打ちがないで」といったやり取りもあり、終始笑い声が響いた。
公会堂に戻ったあとは、昔話などに花を咲かせながら弁当を食べて締めくくった。
足立会長は「初の試みでしたが、みなさんに喜んでいただけて良かったです。高齢者の多い地区ですが元気な方が多いので、これからも楽しい活動を続けていきたい」とうれしそうに話していた。
写真(クリックで拡大)
・祠やその周辺を丁寧に清掃した
・登山中は声を掛け合って楽しく歩いた