減便・廃線の計画変更は困難 丹海バスが報告
2024年05月20日 のニュース
京都府丹後地方と福知山を結ぶ丹海バス福知山線(与謝-共栄高校前)の減便・路線廃止を計画している丹後海陸交通(本社・与謝野町)の担当者が17日、福知山市役所で開かれた市地域公共交通会議の会合で、「計画の方針を変更することは困難」と報告した。
福知山線は平日の朝、昼、夕に往復6便の運行だが、運転手不足などを理由に、同社は6月から朝、夕の往復4便にし、来年4月には路線を廃止する-と2月下旬に発表。これを受けて市は「福知山線は市町をまたいだ通勤通学手段で、北陵地域などの基幹的な交通手段」だとし、同社に路線存続の要望書を提出していた。
■運転手不足深刻、抜本対策厳しい■
同社経営企画部の計画担当課長は、路線バス維持・存続のため運転手の待遇改善、積極的な採用活動、離職防止に向けた取り組みに加え、退職意向者の慰留、事務職から運転手への配置転換などに努めているとした。
しかし、運転手の年齢は50~60代が7割を占め、「運転手不足解消に向けた取り組みには限界がある。将来に向けて抜本的に解決する見込みは厳しいといわざるをえない」とし、計画の変更は困難とした。続けて「地域住民のみなさまにはご迷惑をおかけすることとなりおわび申し上げますが、弊社の状況をご理解いただくようお願いします」と理解を求めた。
大橋一夫市長は「沿線地域に暮らすみなさん、通勤・通学利用者、病院などの利用者に多大な影響を与える。減便、廃線は大変残念」とした上で、「(運転手不足は)日本の交通・運輸分野全体にかかわる問題で、即解決は困難と思う。市として通勤・通学といった生活移動手段の確保について、代替となる手段・方法を早急に検討したい」と述べた。
会議には行政や運送事業者、市民委員ら14人中13人が出席し、バス路線の運行計画などについて協議した。
写真(クリックで拡大)=市地域公共交通会議の会合