2024年度予算案を見る・上 高齢化と子育て
2024年03月08日 のニュース
福知山市の2024年度当初予算案は、6月に市長選挙を控えた骨格型で、新規事業を抑制して前年度当初比0・9%減となった。一方で、22年度から取り組むまちづくりの指針に基づいた事業をソフト、ハード両面で着実に進め、市民サービスの拡充を図る。
■助け合いサービス、実情に合う支援強化■
福祉関連では、高齢化が進み、市内各地域で広がりつつある住民同士による「助け合いサービス」への事業経費など支援を充実させる。これまで、介護保険を使ったサービスBの区分で、三和、夜久野の住民組織が補助金を受け、助け合いサービスに取り組んできた。
サービスは、支援者として登録した住民が、サービスを利用する住民の依頼に応じて庭の草引き、電球の取り替えといった簡単な作業を、1時間500円といった価格で請け負うもの。今年度は内田町、大江町尾藤口の2自治会が導入を進め、新年度は中六人部、庵我両地区でサービスが始まる予定。
こうした活動の広がりもあり、より地域の実情に合わせた支援ができるように補助金の加算内容を見直す。支援者や利用者の登録数に応じた加算の条件を緩和するほか、人口が少なく地域が広い周辺部などに手厚く補助できるための再調整も行う。
また高齢者の見守り活動などを実施した場合は追加加算が受けられる枠も設け、住民主体のサービスの充実と促進を図る。事業費として2億1151万円を計上している。
■産後ケア支援のデイサービス開始■
子育て関連は、産後1年までの母子を対象とした産後ケア事業を新たに始める。ゆったりと過ごせる機能を備えた施設を市が確保して、通所型のデイサービスを月2回ほど開き、助産師への相談、参加者同士の交流などで、育児疲れや不安の解消を目指す。
妊娠届提出時に、タクシー料金5千円を市の電子決済アプリ「ふくぽ」のポイントとして支給する。タクシー料金の支払いのみで使用でき、妊娠届提出から12カ月が期限。病院通い、健診などの支援につなげる。事業費は全体で587万6千円。
また、待機児童0人を目標に、保育士確保対策も一部を拡充。保育資格を持つが保育士にはなっていない人を、保育補助者として雇用する際の費用を補助する。
写真(クリックで拡大)=夜久野地域の「暮らしのささえ愛事業」。住民同士で困りごとを解決して助け合う