人手不足など福祉施設の窮状に耳 市議会が出張委員会
2024年01月28日 のニュース
京都府福知山市の市議会教育厚生委員会は24日、駅前町の市民交流プラザで出張委員会を開き、一般社団法人福知山民間社会福祉施設連絡協議会(12法人)の会員たちと意見交換した。協議会が実施する事業の維持、福祉業界での人材不足などが話題に上り、議員たちが各施設の窮状に耳を傾けた。
市議会では議会の情報発信、市民参加の促進を目的に、各委員会が出張委員会を開いている。今回の会合では、施設連絡協議会の岩吹泰志会長が「施設の運営は非常に厳しくなっています。生の声を聴いて行政に届けてもらい、サービスを利用されている方々の幸せな生活につなげていきたいと思っています」とあいさつ。互いに自己紹介をしてから本題に入った。
協議会側からは、施設で働いている職員向けのスキルアップ研修についての事業費確保が課題になっていること、人手不足が進んでデイサービスが一部休止になるなどの影響が出ていることを紹介した。
各法人の代表者から「人材紹介会社を利用したが、高額で経営を圧迫している。より良い求人の仕組みやサービス利用への補助があるとうれしい」「職員の高齢化も進み、中間層でリーダーになる職員が少ない。5年後はやっていけているかわからない」「小中学生らが介護職員などに触れる機会が少ない。仕事の魅力をどう発信していくかは課題だと感じている」などの意見が出された。
市議会議員はじっくりと耳を傾け、「人材紹介会社からの就職は一時的なことが多いか」「職場で感染症などが発生した場合、どう対応をされているか」などと質問して課題を深掘りした。
最後に同委員会の副委員長があいさつに立ち、「職員の育成、施設運営のひっ迫した状況を感じました。長い目では教育を通じ子どもが福祉に触れることが大切です。また、多職種の人が、ダブルワークで土日だけ介護職に入るといった方法も考えられます。しっかりと委員会で協議し、今後の行動につなげていきます」と伝えた。
写真=福祉施設の厳しい現状などを話し合った
(表示サイズのみ)