福知山出身の女子プロレスラー 史上最速でタッグ王者に
2024年01月23日 のニュース
京都府福知山市出身で、新人ながら女子プロレスラーとして活躍し、団体史上最速でタッグ王者に輝いた選手がいる。埼玉県を拠点とする女子プロレス団体・アイスリボンの芦田美歩選手(26)。昨年8月にデビューして快進撃。プロレスの週刊誌で大きく取り上げられるなど、話題を集める存在となり、今後の活躍に期待がかかる。
芦田選手は成仁小学校、日新中学校、福知山高校を卒業。小学2年から、カワイダンスエージェンシーで、チアダンスに打ち込んだ。高校1年の頃に出場した全米大会では、チームが3位に入るなど結果も残した。
2012年には、ミスコンテストの一つ、ミス・ティーン・ジャパンに出場してファイナリストに。このことをきっかけに、中学3年から東京の芸能事務所に所属し、大学進学で上京したあとも、タレントや舞台女優として活動していた。
プロレスラーになったきっかけは、映画「THE CHALLENGER-希望のリング」のタイアップ企画。出演の条件が、アイスリボンでのプロレスデビューだった。以前に舞台でプロレスラー役を演じたこともあり、「成長する機会になるはず」と確信し、企画にチャレンジすることに決めた。
ほかに応募した20人ほどと一緒に、昨年5月から練習に参加。スクワット200回など、一日最大6時間の過酷な練習が続き、リタイアする人が続出するなか、芦田選手は「最後のチャンスを必ずつかむ」と言い聞かせ、耐え抜いたという。
「上京後もダンスレッスンは続け、筋力トレーニングもしていたので、体力に自信はありましたが、想像以上にきつかった。人生で最もしんどい期間で、泣きながら練習についていき、何度も辞めたいと思いました」と振り返る。
体中が痛くて眠れない日もあった。それでも同期メンバーで励まし合い、ようやくデビューの日を迎えた。舞台は後楽園ホール。同期選手らとのタッグ戦で、最後はブリッジで相手を抑え込む技・チアガールで芦田選手が3カウントを奪い、勝利を収めた。
その2カ月後の11月には、団体シングル王座のベルトに初挑戦。惜しくも敗れたものの、王者・星いぶき選手から逆水平チョップの連打を浴び、胸を真っ赤に染めながらも、果敢に立ち向かう姿が話題と感動を呼んだ。
昨年の大みそかは、先輩の弓季選手と組み、後楽園ホールでタッグ王者の杏ちゃむ・YuuRI組と対戦。「新人の私が狙われるだろうな」との予想は当たり、波状攻撃を浴びた。が、これを耐え抜き、弓季選手が3カウントを奪って、第62代王者となった。
デビューから順調に成長し続けるものの、現状に満足しない芦田選手。「シングルのベルトに再挑戦して団体の王者になること、『週刊プロレス』の表紙を飾ることが大きな目標です。女優としても、大河ドラマや時代劇に出る夢をかなえたい」と力強く語る。
地元関係者、ファンに対し、「私を育ててくれた福知山に恩返しができるよう、もっと頑張りたいと思っています。プロレスラーとしても、女優としても夢を追い続けていくので、応援をよろしくお願いします」と話している。
写真(クリックで拡大)=デビューから4カ月半でタッグ王者に輝いた芦田選手(右)=アイスリボン提供=