中丹勤福会館は廃止か譲渡 府検討委報告
2024年01月04日 のニュース
京都府が設置する府内5カ所の勤労者福祉会館の存続是非を問う「あり方検討委員会」の報告書がまとまった。福知山市昭和新町にある府立中丹勤労者福祉会館については、「当初の目的(勤労者の福祉向上)は達成した」と結論付けて、現状通りの存続は不適切とする内容になっている。府は、市への譲渡や、施設廃止、民間活用も含めて、来春にも方向性を定めたい考え。
勤福会館は、勤労者の交流や文化・体育活動の場を提供し、福祉の増進を図ることを目的に約40年前に設置されたが、現在では、リタイア世代の文化・スポーツ活動や、地域コミュニティの活用が中心で、設置目的と利用実態が合っていないとしている。同一市内に類似の公共施設が増えたことなどで利用者数は減少傾向にあり、施設の老朽化も進んでいる。
存続是非の検討を喫緊の課題とする府は、外部有識者による同委員会を2021年8月に立ち上げ、5回の会合を経て、昨年12月26日に第1次報告書を受けた。
中丹会館は1983年(昭和58年)12月に開設。大中小の会議室が入る延べ床面積約1990平方メートルの鉄筋コンクリート造り4階建てで、築40年が経過した。報告書では「利用率が4割程度。会議室機能のみで今後の施策展開の広がりが限定的となる」ことなどを指摘し、当初の目的は達成しているとして、「勤福会館機能の停止」を提言した。
現在の指定管理期間は2024年度末までで、府労働政策室は「福知山市の意向をしっかりと聞き取りながら、府としての今後の方向性を春ごろまでにはまとめたい」と話す。
第1次報告書では、城南、丹後両会館も中丹会館と同様の結論が示され、効果的に利用されている山城、口丹波両会館については同委員会で検討を継続する。
写真(クリックで拡大)=府立中丹勤労者福祉会館