女子校から共学化、再編を経て100周年 福知山淑徳高校
2024年01月03日 のニュース
アクティヴ系列は普通科高校に近い教科を履修しながら受験科目を集中的に学び、各種検定資格を取得できる。やりたいことを見つけ、大学への進学や就職をめざす。
また、系列の授業とは別に3学年混合で履修する総合講座がある。人形劇、手話、茶道、アコースティックギターなど様々。もともと講座の一つだった和太鼓は、2011年度から部活となり、年間50回以上の公演依頼を受けるほど、学校の“顔”になっている。
■建学の精神と創立から続く伝統■
初代校長の◇之助氏が提唱した建学の精神は「感恩先苦」。自然と人、物に至るまで、その恩に深く感謝し、世に奉仕して生きるというもので、生徒たちの指針となっている。
また、生徒たちが授業で使い古した針や包丁などを感謝し納める「針供養」や学校からの誕生日プレゼントなど、創立時から続く伝統も少しずつ形を変えながら受け継いでいる。
■伝統引き継ぎ 魅力発信と山口理事長■
山口剛理事長(59)は「今年で創立100年目ということで、歴史の重みを感じます。それと同時に、社会全体がいろいろと変化している中で、伝統的な建学の精神を引き継ぎながら、時代の流れによって変えるべきところは変えていくという思いを持って100周年を迎えたい」と話す。
淑徳の強みを「ひとり立ちできるウデとチエ」を身に付けるため、実学中心のカリキュラムで、専門的な技術を習得できることだと言い、日々の生活や行事などを通して、土台となる「人として大切なことは何か」という人間的教育を大切にしていることを力説。
しかし「福知山は普通科志向が強い地域であり、理解してもらうことに苦労してきました」とも。「ここ十数年は、地域の人たちにどういう学校なのか知ってもらうために、積極的に生徒たちが行政の依頼やイベントなどで活動してくれて、本校の魅力を知ってもらうきっかけになったのでは」と振り返る。
教育が多様化する中で、特色ある本校の存在は大きく、使命感を持って、地域に愛される学校をめざし、学校教育で学んだことを地域に還元できる、そういう生徒を育てていきたい-としつつ、「人口減少の中で、地域はもちろん、いかに外からも生徒を確保するかが重要。生徒が集まることで地域活性化にもつながるので、今までやってきた魅力ある教育をどんどん発信して、ほかにない勉強ができるとアピールしていきたい」と話している。
福知山淑徳高校100年の歴史
【大正】
1924年(大正13年)福知山淑徳技芸学舎として福知山市笹尾(篠尾)に創立(現在のファッションセンターしまむら福知山店付近)
1925年(同14年)淑徳高等家政女学校と改称
【昭和】
1946年(昭和21年)福知山淑徳高等女学校と改称
1948年(同23年)新学制により現在の福知山淑徳高等学校となる
1958年(同33年)被服科でデザインした新制服(セーラーから当時は珍しいブレザーへ)に変える
1969年(同44年)保育科設置認可
1971年(同46年)保育科実習施設「さつき保育園」を開設
1973年(同48年)食物科設置、調理師養成施設として認可を受ける
1977年(同52年)正明寺校地(現校地)買収。育友会、教師、生徒をあげて開墾
1988年(同63年)普通科設置
【平成】
1990年(平成2年)新校舎完成に伴い全面移転
1994年(同6年)福祉コース新設
1996年(同8年)食物科に初の男子生徒を募集
1997年(同9年)被服、保育、普通科を廃止し、総合学科に再編
2001年(同13年)食物科を総合学科の中に統合、完全男女共学に
2009年(同21年)系列名称変更、現在の名称に
【近年】
2010年(平成22年)~2023年(令和5年)ご当地絶品うまいもん甲子園全国大会初優勝(2018)、高校生ファッションデザインコンテスト2020優勝、ふるさと祭り東京2020に和太鼓部出演など、各系列、部活がコンテストや大会で活躍している
写真(クリックで拡大)上から
・正明寺の現校舎
・輸入したミシンで洋裁を学ぶ生徒たち(昭和6年)
・昨年の淑徳祭でのファッションショー
・数々のコンテストで生徒らの料理が入賞している
・ステージで力強く太鼓を打つ部員たち
・完成したばかりの現校舎(平成2年)当時は女子生徒だけだった
・創立当初の校舎