同じ土地に「二つの住所」がある福知山 市が表記の検討会

2023年09月27日 のニュース

 京都府福知山市には「天田」「堀」「長田」などの住所表記の中に、複数の自治会(町内)が含まれる地域がある。広域な“字”の住民票の表記と、郵便番号による町域名(自治会名とほぼ同じ)が違うことが多く、住民でさえ混乱するケースがある。市は25日、こうした住所について考えようと、検討会を立ち上げ、駅前町の市民交流プラザで会合を開いた。

 市街地の天田は福知山駅の北側と南側に飛び地になって広がり、堀は大正小学校の校区全てが含まれる広さ。長田、前田なども複数の町内が含まれ、「字名と番地を聞いただけではたどり着けない」ケースも多い。

 これまで、住民から住所表記改善の要望が出されるなどしてきたが、市は、多額のシステム改修費がかかることや歴史的な地名が消失することなどを理由に対応を見送ってきた。だが、近年も市議会で度々、住所表記に関する質問が出されており、市民ニーズを把握し、対応の方針を決めるため「市住所等に関する検討会」を設置した。

 京都土地家屋調査士会、京都司法書士会、自治会長運営委員連絡協議会などの各代表5人が委員を務める。

 会合では事務局の市まちづくり推進課が、これまでの経緯を伝え、市の調べでは、郵便番号による町域名とほぼ一致する「自治会名」と「字名」がほとんど同じ場所とそうでない場所が、半々に近い割合になっていることを紹介した。

 住所表記の変更には、「住居表示に関する法律」「地方自治法」に則して行う2つの方法があり、いずれも町域名の表示に変えることで、字名との二重表記を解消できることなどを説明した。

 また、住所表記を変える場合は、市も、住民もそれぞれ、住民票、運転免許証、不動産登記などで変更の手続きが生じることにも触れた。

 事務局は「地域コミュニティーの単位でもある自治会を大切にしながら、住所表記を変えるか、そうでないか、変える場合はどういう条件にするかを検討したい」とし、委員からは「実施する場合は市内全域を対象にするのか」「農地なども含めるのか」などの意見が出された。

 市民ニーズを探るため、住所表記の変更について、広域な字内の住民へ無作為抽出のアンケートをする案も話し合い、今年度中に実施することを決めた。今後はアンケート結果などをもとに検討を進め、市としての方針を作成する予定にしている。

 

写真(クリックで拡大)
 ・広大な福知山市「堀」。大正小学校の校区全てが含まれる
 ・住所表記について話し合う委員たち

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