花火大会、市民アンケートと被害者の回答公表
2023年12月20日 のニュース
福知山市産業観光課が事務局を務める「花火大会のあり方を考える会」(会長・浦中千佳央京都産業大学教授)は19日、京都府福知山市東羽合の市消防防災センターで3回目の会合を開いた。10年前の「ドッコイセ福知山花火大会」の露店爆発炎上事故の負傷者や遺族へのヒアリング、市民アンケート結果などを踏まえ、意見を交わした。
長年続いた花火大会は、事故で観客57人が死傷してから開かれていないが、市内では再開を望む声もある。こうした中、市は、花火大会についての議論を始めようと、9月に「考える会」を立ち上げた。
市民アンケートは10月から11月にかけて3千人を無作為に選んで実施。市内在住で16歳以上の1158人から回答があった。
花火大会の議論を進めることに対しては賛成派1021人、反対派76人だった。花火大会の開催は賛成派1010人、反対派90人で、賛成派の中では「必要な対策が講じられたうえであれば賛成」を選んだ人が614人で最多となった。
自由記述では「ずっと大会が無くなるのは寂しい。被害者の方々に配慮しながら何とかやってほしい」「露店は無くて良いので花火だけやってほしい」「花火を見て苦しむ人がいると思うと鑑賞する気になれない」などの意見が寄せられた。
また、連絡先が分かる負傷者や遺族43人、事故後に由良川で花火を打ち上げた3団体へのヒアリングにも取り組んでおり、結果を報告した。
対面での意見聴取に応じた負傷者、遺族はいなかったが、21人からアンケートへ回答があり、夏の福知山の由良川での花火大会開催についての設問では「雑踏や露店等の対策を講じ、安心安全な花火大会が開催されるならば構わない」を選ぶ人が最も多かったが、「大会開催の是非について議論を進めるのは時期尚早」「癒えない苦しみを察して開催しないでほしい」の項目を選ぶ人もいた。
自由記述では5人から「事故を体験していない若者たちは開催を心待ちにしていると思う。記憶と記録をしっかりと残し、事故が絶対にないようにしてもらえれば、花火大会の復活をお待ちしている」「あのような事故が起こらないように全力を尽くしていただけるのであれば示談が済んでいることもあり、開催については関与しない」などの声が寄せられた。
事故後の打ち上げ団体へのヒアリングでは、「責任所在を明確にするため、一般社団法人を立ち上げて取り組んだ」などの意見があった。
アンケート結果などは、市のホームページで公開する。次回は2月に開催予定。
写真(クリックで拡大)=意見を交わす委員たち