昼食には「妖怪めし」も 鬼伝説の地を巡る大江山ウォーキング
2023年12月13日 のニュース
大江山の鬼伝説が残る京都府福知山市大江町佛性寺で9日、妖怪文化研究家の木下昌美さんと一緒に歩く「鬼が誘うノスタルジックウォーキング」(福知山観光協会大江支部主催)が開かれた。参加者たちが歴史の深さを体感しながら伝説の地を巡った。
大江地域観光案内倶楽部(赤松武司会長)が、鬼伝説が残る大江山を広くPRしようと企画した。
木下さんは奈良県在住で、大学と大学院で説話に出てくる鬼などを研究。地方紙の新聞記者を経て、執筆、講演活動などを続けているほか、漫画「妖怪めし」の監修をしている。
ウォーキングには市内外から7人が参加。同倶楽部のメンバー3人がガイド役を務めた。
佛性寺の大江山グリーンロッジを出発し、鬼モニュメントまで行き、ロッジそばの日本の鬼の交流博物館まで戻る約1・2キロのコースを歩いた。400段の階段を上り、途中で旧河守鉱山の選鉱所跡なども見た。
鬼モニュメント前では、赤松会長(71)が3体の鬼の像について説明。ウルトラ怪獣の生みの親で彫刻家の成田亨さんが制作し、酒呑童子像は京の都を指さしていることや、モニュメント周辺には酒呑童子の屋敷などがあったという言い伝えも紹介した。
参加者の太田稔治さん(62)=京都市山科区=は大江町南山西部出身で、「モニュメントは写真などでは知っていましたが、実物を見るのは初めて。ウォーキングに参加して新しい発見がありました」と喜んでいた。
完歩後はロッジそばの日本の鬼の交流博物館を見学。木下さんが倶楽部の依頼で考案した「鬼ぎり御膳」がロッジで昼食として出された。
木下さんは昔話で鬼がみそを食べていたり、みそに姿を変えられ食べられたりするシーンがあることから、ねぎみそ入りのおにぎりに、鶏の甘辛焼き、古老柿なますなどを添えたメニューにした。
鬼博では木下さんの講演もあり、日本最古の説話集「日本霊異記」に出てくる鬼に関する話などを解説した。
ウォーキングについて木下さんは「大学生のころ、酒呑童子についても勉強していましたが、鬼伝説の舞台を実際に見て、更に関心を深めることができました」と話していた。
写真上(クリックで拡大)=鬼モニュメントを見学した参加者たち(右が木下さん)
写真下(クリックで拡大)=木下さんが考案した「鬼ぎり御膳」