節分で追われた鬼はどこへ? 中学生妖怪博士が福知山の絵本

2024年01月26日 のニュース

 大江山の鬼退治伝説をはじめ、鬼と親しむ文化が根付く京都府福知山市を舞台にした絵本「節分で追い出された鬼はどこへ行く?」を市が制作した。妖怪探究家として活躍する中学3年生、「妖怪博士ちゃん」こと関本創さん=福島県在住=が執筆し、世界鬼学会の八木透会長が監修。2月上旬に完成する予定。

 市は「鬼のまち福知山」をPRしようと、昨年から節分に向けたまちおこし企画「オニバーサルシティプロジェクト」に取り組んでいて、絵本の制作もその一つ。妖怪探究家としての活動で福知山と鬼の関わりを知り、「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」のテレビロケで大江山などを訪れたことのある関本さんに、市が制作を依頼して実現した。

 絵本は、節分の日に豆をぶつけられて追い出された小鬼が主人公。追い出されたショックで泣いていたところ、偶然出会った青鬼に励まされ、追い出された鬼たちが集う「大江山」を訪れる-という物語。心温まる鬼同士の交流、節分のもつ意味などが親しみやすいイラストとともに描かれている。

 絵本はB5判24ページのフルカラー。市が200冊を発刊し、市立図書館、市内の小学校に置くほか、全国の図書館にも寄贈する。市は「鬼が持つ新たな一面に触れ、親しんでもらうきっかけになれば」と期待を込める。市立図書館中央館では30日から2月18日までパネル展を開く。

 関本さんは「大人でも楽しめる内容になっています。毎年、節分に思い出していただけるとうれしいです」とコメントしている。

■読み聞かせ動画を公開■

 福知山市は絵本の発刊を前に、動画配信サイト「ユーチューブ」の市公式チャンネルで読み聞かせ動画の公開を始めた。東京都を中心に舞台役者として活動する宇都恵利花さんが読み聞かせをしている。宇都さんは舞台で、酒呑童子の手下とされる鬼・茨木童子役を演じたことで鬼に興味を持った。日本の鬼の交流博物館(福知山市大江町佛性寺)が、昨年に開いたイラストコンテストで最優秀賞に選ばれている。

 読み聞かせでは小鬼の無邪気さ、青鬼の頼りがいのある様子を表現し、大江山に集う数々の鬼、ナレーターなども演じ分け、物語に深みを与えている。

 

写真(クリックで拡大)=絵と文を手掛けた関本さん

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