無火災と社殿再建願う 愛宕神社春季大祭参拝者ら

2024年01月26日 のニュース

 火除けの守護神として信仰を集める京都府福知山市土師の愛宕神社で23、24両日、春の大祭が営まれた。昨年6月、放火による火災で社殿は焼失したが、地域に根付いた伝統の祭りには市内外から多くの人が訪れた。神を宿した神籬(ひもろぎ)を前に参拝者らはそっと手を合わせ、一年の無火災と社殿の再建を願った。

 同神社は京都・山城の愛宕神社の分霊を祭って410年余り。地元の前田、土師両地区が管理を続け、毎年、春と夏に無火災を祈る祭りを営んできた。しかし、放火で本殿や拝殿は焼失し、昨年の夏の大祭は中止に追い込まれた。

 地元住民らの心のよりどころでもあった社殿の再建をめざす愛宕神社再建委員会(土手隆晴委員長)が、再建への機運を高めるため、春の大祭を実施。集落を代表してお札を授かりに来る人もいて、大勢の人が長い階段を上って参拝に訪れた。

 境内に置かれた神籬には、炭化した御神体の鏡や拝殿にあった焦げた本坪鈴なども祭られ、訪れた参拝者らが悲惨な火災の跡を目にしていた。

 社務所では火伏せのお札やお守りの授与があったほか、再建への寄付を募る募金箱が設置され、多くの人が「頑張ってください」「少しでも力になれば」などと総代らに声を掛けながら寄付をした。

 土師地区に住む女性(77)は「子どもの頃から慣れ親しんだ神社で、そこにあるのが当たり前でした。それが放火で無くなってしまい、涙が出るほど悲しかった。再建に向け頑張っている方々を応援したい」と話していた。

 本宮の24日は、朝から雪が強く舞う中、吉田明弘宮司による祭礼が行われ、地元の総代や自治会長らが出席。「二度と火による災いが起きないように」と願いが込められた祝詞を上げている間だけは雪が弱まり、雲間から少し日が差し込んだ。

 大祭を終えた土手委員長は「最低限の準備しかできませんでしたが、多くの人に参拝や寄付をしてもらい、感謝の気持ちでいっぱいです。改めて地域に大切にされてきた神社なのだと認識できました。今後も再建に向けて懸命に取り組み、何年かかろうと、必ず実現したい」と力強く語っていた。

 社務所での募金箱のほか、口座振り込み、郵便振替でも寄付を受け付ける。口座は京都農業協同組合とゆうちょ銀行の2つ。
 京都農業協同組合(金融機関コード6990)は、福知山東部支店(店番047)の普通預金、口座番号は0017104、口座名義は「愛宕神社再建委員会」。
 ゆうちょ銀行は店名448の普通預金、口座番号は4419101、口座名義は同じ。
 郵便振替の払い込み口座番号は00950-2-335990、口座名義は同じ。

 問い合わせは同委員会事務局、携帯電話090・9625・2283へ。

 

写真(クリックで拡大)=祝詞を上げている間は雪が弱まり、明るい日に照らされた

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