放火で焼失の愛宕神社、再建に向けてCF始動
2024年06月08日 のニュース
昨年6月の連続放火事件によって焼失した京都府福知山市前田、愛宕神社の再建をめざす同神社再建委員会(土手隆晴委員長)は、10日午前9時からインターネット上で再建資金を募るクラウドファンディング(CF)の受け付けを開始する。住民たちは「400年以上続く歴史を絶対に途絶えさせない」と、広く支援を呼びかけている。
同神社は1612年創建。京都・山城の愛宕神社の分霊を祭り、火よけの守護神として広く信仰を集めた。明治以降は地元の前田地区と土師地区が共同管理を続け、春と夏に大祭を催してきたが、昨年6月15日に放火されて本殿、拝殿、御幣殿が全焼。住民たちは再建をめざして委員会を立ち上げ、寄付を集めてきた。
再建費用は約1億4千万円を見込み、寄付金は5月27日までに市内外から397件、計1549万9077円が寄せられた。しかし、目標金額の全額調達のめどは立たず、支援の輪を広げるため、昨年末からCFの準備を進めてきた。
CFの目標金額は800万円に設定し、まずは活動の周知を図る。寄付は1口5千円~100万円の8コースがあり、芳名帳や境内での名前記載、大祭への参列権などの返礼品を用意している。今回の目標が達成できれば、新たなCFのプロジェクトを立ち上げていく。
CF開始に先駆け、決起集会がこのほど前田の前田区公会堂で開かれ、地元住民ら約50人が参加した。
委員からこれまでの経過の報告やCFの説明がされたほか、神社の再建を必ず成し遂げる-とした決議文が読み上げられ、住民らは改めて思いを一つにした。
土手委員長(74)は「神社が突然焼失し、寄付の呼びかけから始まったこの1年はとても長く感じました。多くの方から支援があり、『必ず再建してくれ』という強い思いを託される方もいました。道のりは長いですが、今回のCFを機に一歩ずつでも目標に近づけるよう、みなさまとともに歩んでいきたい」と話していた。
寄付はCFサイト「レディーフォー」のホームページから申し込みできる。期間は7月31日まで。
問い合わせは愛宕神社再建委員会、携帯電話090・9625・2283へ。
写真=炎を上げる愛宕神社(23年6月)