将棋の全国高校選手権に出場 府代表で共栄の吉川部長
2024年06月09日 のニュース
第60回全国高校将棋選手権大会(日本将棋連盟など主催)男子個人の部に、福知山市東羽合、京都共栄学園高校将棋部2年生の吉川遥翔部長(成和中出身)が京都府代表として出場する。京都市内でこのほど開かれた府選手権大会の男子個人戦A級(有段者以上)に出場し、全戦全勝で優勝。全国大会への切符を手にした。
高校生を対象にした3大大会の一つで、規模としては最大級。全国大会は8月1、2両日に岐阜県高山市の飛騨・世界生活文化センターで開かれる。
吉川さんは小学2年生の時、市内で開かれた将棋教室で将棋に出会い、その楽しさにはまった。市内外の教室などに通いながら腕を磨き続け、小学生の頃から各大会で活躍してきた。
■部活では指導役務め、自らは武者修行へ■
高校の部活では主に指導役を務めて部員たちを補佐。大会に向けて自身は休日に市外へ武者修行に飛び出し、将棋会館や将棋プラザなどで大人に交じって格上相手と実戦を重ねる。
府選手権男子A級は高校1年から3年までの18人が出場。小中学生の時に全国優勝を経験するような選手もいるなど、実力者ぞろい。1人3戦で成績を競う予選のあと、上位8人で決勝トーナメントをした。
吉川さんは予選1位で通過し、「一番苦戦した」という決勝トーナメントの初戦で、予選の最後に戦った強豪・洛南高校の3年生と再戦した。序盤は飛車先の歩を互いに進める相掛かりでリードを築くが、中盤のミスが響いて自陣深くに攻め込まれ、負けも意識する盤面に。それでも「相手の攻めが続かない形」と読み切り、一か八か、敵陣懐に勝負手の銀を打ち込んだ。
深読みしてひるんだ相手を押し切り、逆転で勝利。続く準決勝、決勝戦は、相手に合わせて自玉の囲いを変えるなど冷静に対応し、危なげなく勝利を手にした。
吉川さんは「昨年は予選落ちでしたが、今年は負けたくない気持ちを強く持って挑みました。危うかった決勝トーナメント初戦も、気持ちが折れないように最後まで攻める手を選びました」と振り返り、「全国大会は気負わずに、実力を全て出し切り、楽しかったと思える将棋を指したい」と意気込む。
府選手権では、共栄将棋部2年の福井嘉一郎副部長がA級の8強、2年の稲葉翔太さんはC級4強に入った。
写真(クリックで拡大)=府代表として全国大会へ出場する吉川さん