猛暑で甘み十分 秋の味覚・丹波くりの収穫進む
2023年10月03日 のニュース
秋の味覚を代表する栗。その中でも豊かな香りと甘みで人気が高い「丹波くり」が、京都府福知山市内で収穫期を迎えている。三和町辻で栽培する細見昌一さん(72)も収穫作業に追われていて、落ちているイガからつややかな実を取り出し、かごに集めている。
「丹波くり」は福知山市、京丹波町、綾部市など丹波地域で生産され、平安時代から朝廷や幕府に献上されてきた。栗を使ったスイーツの需要の増加もあって、全国的にも再び注目度が高まってきている。
細見さんは、福知山地方丹波くり振興会の副会長で、JA京都にのくに三和くり部会の部会長も務める。
生産するのは、丹波くりを代表する銀寄、筑波のほか、美玖里や紫峰など7品種。管理する栗園(36アール)には、約200本の木が植えられている。
「今年の夏は雨が降らない日が1カ月ほど続いたことによる水不足で、収穫量は例年より2、3割ほど少ない印象です」と細見さん。栗栽培にとって最も重要なのは日光だが、雨も適度に降らないと、水分不足で光合成がうまくできず、不作につながるという。
中丹広域振興局の集計によると、昨年は市内の211農家が17・58トンを収穫した。同振興局は「2年ほど不作が続いたため今年は豊作を期待していたが、梅雨明けから雨が降らない日が続き、収穫時期の早い品種は大きな影響を受けた。しかし、これから収穫の最盛期を迎えるので、全体では平年並みの収穫量を見込んでいる」としている。
細見さんは「収穫量は減っていますが、栗の出来栄えは良い。例年に比べてやや小粒ですが、その分甘さが増しています。ぜひ京都を代表する秋の味覚を楽しんでもらいたい」と話している。
府内では10月上旬ごろが収穫の最盛期となり、中旬まで作業が続く。
写真=栗の収穫をする細見さん