不老長寿の実、大きく育て-集落で栽培するムベに人工授粉 夜久野町西垣
2024年05月02日 のニュース
不老長寿の果物と伝わるムベを栽培する京都府福知山市夜久野町の西垣自治会(金川富士雄自治会長)は、地元のムベ農園で、結実を安定させるための人工授粉作業をした。地域活性化策として集落を挙げて栽培に取り組んでいる。
栽培は2017年冬に、開墾した約7アールの休耕田に約100本の幼木を植え付けたことから始まった。初収穫の時は数個だったが、試行錯誤しながら栽培を続け、木は棚状に広がり、昨年は約2500個を収穫できた。
人工授粉作業は4月28日に行い、住民9人が参加。雨の影響で作業が予定より1週間遅れ、中には落花しているものもあったが、それぞれが柔らかい毛先の筆で、おしべから花粉を取り、めしべにまんべんなく付けていった。
6月に摘果作業を行い、11月ごろに収穫予定。事業部長の衣川秀正さんは「今年は摘果に力を入れ、収穫量は減ると思いますが、一つが大きくきれいな色のムベになるようにしたい」と意気込んでいる。
また、これまで販売場所だった国道9号沿いのドライブインやくのの閉店に伴い、「今後、販売場所などを話し合っていきます。多くの人に食べてもらいたい」と話していた。
ムベはアケビ科のつる性植物で、赤紫色の実。天智天皇(626-671年)が狩りに出かけた際に出会った元気な老夫婦から、長寿の霊果として差し出された実を食べて「むべなるかな(もっともだ)」と言ったことが由来とされている。
写真(クリックで拡大)=筆を手に人工授粉の作業をする自治会の人たち