漆工芸学ぶ学生たち、夜久野で採取を見学
2023年09月28日 のニュース
漆工芸を学ぶ学生たちが、全国でも希少な漆の産地・京都府福知山市夜久野町を訪れ、漆を採取する漆掻きの様子を見学して、自分たちが日ごろ使っている原材料への知識を深めた。
訪れたのは南丹市園部町、京都伝統工芸大学校の漆工芸専攻コースで学ぶ2年生9人。伝統工芸士で京都府「京の名工」でもある兼松俊明講師(京都漆器工芸協同組合理事長)の引率で、25日に夜久野高原へ出向いた。
現地では府無形文化財「丹波の漆掻き」を伝承するNPO法人丹波漆の高橋治子理事長ら3人が出迎え、漆の木の特性や採取する際のポイントなどを説明。手本を見せた後、希望者が専用の道具を借りて、漆掻きに挑戦してみた。
美術品、工芸品で使う漆は精製されたもので、原液とは粘りが違い、学生は戸惑いながらヘラで漆の液を掻き集めた。なかなか思うようには採取できず、NPOの山内耕祐さんから腕の動かし方などコツを聞きながら液を掻き取っていた。
一行は道の駅農匠の郷やくの内にある市やくの木と漆の館も見学した。
採取地訪問は毎年の取り組みで、これを機に、NPOが取り組む漆の木の植栽活動に参加するようになる学生も例年いる。
写真(クリックで拡大)=教わりながら漆掻きを体験