境内で採取の漆を使って修復完成 東光寺の弘法大師像

2023年12月06日 のニュース

 京都府福知山市夜久野町額田、高野山真言宗・東光寺(大月康永住職)の弘法大師像が修復され、このほど開眼法要が営まれた。接合部には、境内に植えられた漆の木から採取した丹波漆が使われている。参列した檀家らは輝きを取り戻した姿を見て、「きれいになったなあ」と声を漏らしていた。

 本堂内で祭られている弘法大師像は、江戸時代初期に寄進されたと寺に伝わっていて、長年安置されてきた。ところが色がくすみ、破損するなど劣化してきたため、今年4月から名古屋市の仏具修理業者に依頼。解体修理し、復元された。

 開眼法要には檀家や、修理業者「天眞堂中央社寺工藝社」代表の林良恭さん(38)、仏師の亀淵元昭さん(56)ら約60人が参列。大月住職(45)が経を唱えるなか、参列者が弘法大師像の前に進んで焼香し、手を合わせた。

 境内には、檀家で丹波漆の第一人者だった故・衣川光治さんが植えた漆の木があり、その木から採取した丹波漆が修理に使われている。林さんは「丹波漆はすごく滑らかで合格点です」などと説明していた。また、解体の際に、作者名として「大仏師中将藤原」や西暦1662年の「寛文2年6月吉日」と書かれてあったことにも触れた。

 漆を採取した特定非営利法人丹波漆の理事、山内耕祐さん(35)も参列し、「衣川光治さんも喜んでおられると思います」と感慨深げだった。

 大月住職は「きれいに復元してもらい、お帰りいただいてありがたい。みなさんに度々来て、見てもらえたら」と話していた。

 

写真(クリックで拡大)上から
・再び安置された弘法大師像
・開眼法要で檀家らに感謝の言葉を述べる大月住職

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