福知山公立大の大学院開設決定 学長ら記者会見
2023年09月09日 のニュース
福知山市西小谷ケ丘の福知山公立大学に24年4月、京都府北部で初となる大学院が開設されることが正式に決まり、公立大で8日、記者会見が開かれた。川添信介学長らが大学院地域情報学研究科の特徴やカリキュラム、教員組織などについて説明し、更なる地域貢献へ意気込みを示した。
研究科長に就任予定の倉本到教授は「多くの大学院は特定の専攻があり、そこに対して一つの目標があるが、本学の大学院は二つの柱で運用することが特徴」とし、「情報学の深化をめざす研究開発」で情報学の学位をめざすコースと、「情報学による地域にねざした実践的プロジェクトの遂行」で学術の学位が取得できるコースがあると説明。
カリキュラムについては「科目は大きく三つ。情報学、社会科学系、文理融合科目をバランスよく取ることによって、地域での実践、あるいは情報学を深化させるために必要な学びを得てもらえるよう編成している」と紹介した。
■地域福祉にAI、教育のDXなど想定■
修士課程の2年で、1学年の定員は20人。大学院での研究テーマは、地域福祉活動にAI(人工知能)やロボットを実践的に導入すること▽教育のDX(デジタルトランスフォーメーション)化▽ICT(情報通信技術)による防災-などを想定している。
修了には30単位が必要で、2年間の活動としては、情報学最先端の講義を受講するほか、大半の期間は研究室や地域に入って、研究かプロジェクトに取り組み、情報学による高度な課題解決能力を身に付ける。研究指導をするのは地域経営学部と情報学部の教員19人。
入学試験は今年度は10月29日に行うが、来年度以降は9月中には試験を終える予定。学内学生の大学院進学を促進するため、内部進学者は入学金を免除する。
定員の確保については、多くは内部進学者を見込んでいるが、他大学にも呼びかけているという。
川添学長は「情報学を要素として、最先端の学術を学ぶことに加えて、地域貢献できる人材を育てることが重要。大学の中期計画では福知山モデルを作るということを宣言していて、大学院がその中心の一つとして、新しい形での地域と大学との関係を築いていくものになれば」と話していた。
写真(クリックで拡大)=大学院開設の許可書を持つ川添学長(左から2人目)ら