シートレコード「家庭だんらんのうた」発見 昭和30年代に市が製作

2024年04月13日 のニュース

 昭和30年代に京都府福知山市が製作した「家庭だんらんのうた」のシートレコードが、このほど見つかった。作詞・作曲は市、合唱は当時活動していた福知山めぐみ児童コーラスで、家庭での家族の語らいなどを大切にしようという内容の歌詞。7日に歌を流す機会があり、聴いた人らが懐かしんでいた。

 見つけたのは、新町商店街内で定期的に、レコードをかけて無料でコーヒーを提供する取り組みを続けている福知山公立大学地域経営学部の谷口知弘教授(60)。昨夏、市内で開かれたサロンに招かれた際、レコードの提供を呼びかけたところ、後日、参加者から30枚ほどを束で譲り受け、そのなかに赤いシートレコードが挟まっていた。

 シートレコードは、塩化ビニールなどで作られた薄型で軟らかいもの。「フォノシート」「フィルムレコード」とも呼ばれるが、株式会社朝日ソノラマの商標「ソノシート」の呼称が浸透している。1960~70年代には、雑誌などの付録として付いていたという。

 家庭だんらんのうたは、1番から5番まであり、「第一土曜日うれしいな あのこもこのこもかけっこして 道をまっすぐ帰ってく きょうは楽しいだんらん日 家のあかりが花と咲く ダン ラン ダン ラン ふくちやま」のほか、「みんなで 父ちゃん 母ちゃんに なんでも話して語り合う 明るい家庭のだんらん日」という歌詞が聞き取れる。

 製作年ははっきりしないが、市立図書館所蔵の昭和39年(1964)の市事務報告書には、レコードに関する記述がある。それによると、「青少年の健全育成非行防止はまず『家庭における青少年教育の振興』とこれが目標達成の一環として毎月第一土曜日の晩を一家だんらんの日ときめ楽しい家庭をつくるよう呼びかけると共に、家庭だんらんのうたを作りこれをレコード化し、広く市民一般に愛唱されるよう関係諸団体、諸機関の協力をえて頒布し、家庭だんらん運動を展開し相当の成果をあげている」(原文のまま)と記されている。

 また、2005年2月8日付の両丹日日新聞にも、「市製作のレコードがあった」の見出しで、同じレコードが見つかった記事を掲載しており、製作に携わった元市職員が、「子どもたちが加害者になる事件が多発していますが、子どもたちが健やかに育つためには温かい家庭が不可欠だということは、当時も今も変わっていないように思いますねえ」とコメントし、家族のコミュニケーションの大切さを説いている。

 この歌について谷口教授と一緒に調べていた大槻正輝さん(71)は、「広報車がこの曲を流しながら回っていたことを覚えています。小学校でも歌った記憶があります。歌を聴いて、懐かしんだり、元気をもらったりしてもらえるとうれしい。当時歌った人や子どもたちにもぜひ聴いてほしい」と話していた。

 谷口教授も「歌に関わりがあった人に聴いてもらい、当時の思い出を聞かせてもらえたら」と話している。

 このレコードは、毎週火曜午後1時ごろ~2時ごろに新町商店街内の福知山公立大学まちかどキャンパス吹風舎で行う「レコードと珈琲まちかどCafe」か、毎月第1、3日曜の午前11時30分~午後1時30分に、同商店街内のご近所とつながるシェアハウスさつき荘で開く「レコードと珈琲道端(スナックのような)Cafe」で流す。

写真上(クリックで拡大)=7日にレコードを聴いた
写真下(クリックで拡大)=家庭だんらんのうたのレコード
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