福知山の間伐材使った給食食器 全小中学校に

2023年09月05日 のニュース

 京都府福知山市とパナソニックグループが共同で開発した、福知山産の間伐材を使った新しい学校給食用食器が4日、市立小中学校に導入された。地元産の間伐材を活用して公民連携で給食食器の製品化に取り組んだのは全国初。子どもたちが、木の温かみを感じる食器で給食をおいしく味わった。

 パナソニックが開発した植物繊維のセルロースファイバーを活用した素材「kinari(キナリ)」。SDGs(持続可能な開発目標)に取り組む市は、昨年6月に協定を結び、同7月にはパナソニックグループの社員が市内の学校と給食センターを視察に訪れ、洗浄消毒の工程などを観察し、新食器開発に向けて改良を重ねてきた。

 総事業費は9121万円。新食器は小中学校23校の児童、生徒ら約6700人が使用する。福知山の間伐材を使うことで、地元を大切にする心や環境問題への関心を高めるねらいがある。

 新食器には、ヒノキの間伐材6トン分の植物繊維とプラスチックが使用されている。従来のプラスチックと同等の性質を持ちながら、リサイクルなどが可能な環境配慮型の食器となっている。

 トレー、大小のおわん、平皿の4種類で、色は素材を生かした茶色。軽くて丈夫で、縁の部分は口当たりがなめらかに感じられるよう、丸みがかって成形されている。

■惇明小でセレモニー■

 内記五丁目の惇明小学校では、導入セレモニーが行われた。セレモニーに先立ち、市の森林と環境について学ぶ6年生の授業が公開され、間伐をすることで、残された木がしっかりと育ち、地球温暖化や土砂災害を防ぐことにつながることを児童が学ぶ様子を見学した。

 また、パナソニックグループの社員から新食器についての説明もあり、児童は実物を触ったり香りをかいだりして、「おしゃれ」「軽い」「木の香りがする」と口々に感想を言って盛り上がっていた。

 このあと、6年生の芦田勇風君と野間大聖君が代表して、「この食器はとても環境に良いと分かりました。木材の大切さを感じながら新しい食器を大切に使っていきたい」と感謝を述べた。

 大橋一夫市長は「地元産の間伐材で作られた人と環境にやさしい食器で、地元産の食材を使った給食を食べたことを、大人になったときに思い出してほしい」とあいさつ。

 パナソニックプロダクションエンジニアリングの柳本努代表取締役社長は「自然の風合いを感じて大切に使っていただけたらうれしい。木の経年変化も楽しんでもらえたら」と伝えた。

 

写真上(クリックで拡大)=新食器で給食を食べる児童たち
写真下(クリックで拡大)=福知山産の間伐材が使われた新食器

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