ガソリン価格180円超、過去最高 福知山でも家計圧迫
2023年09月03日 のニュース
経済産業省が8月30日に発表した給油所価格調査では、京都府のレギュラーガソリン1リットル当たりの平均小売り価格は、同月28日時点で187円20銭。現在の方法で調査を始めた1990年以降で最高値を更新した。生活に必要不可欠な燃料の価格上昇が、家計や企業の業績を圧迫している。
ガソリン価格の上昇は福知山市内でも見られ、1リットル180円以上の店舗がほとんど。中には190円を超すところもある。
自動車を主な交通手段とする市民には厳しい状況で、市内のセルフガソリンスタンドで給油していた女性(73)は「これまでと比べ、とにかく高い。車は買い物などに必要なので燃料費の節約は難しく、年金生活で入ってくるお金は変わらないのに消費は増え、家計のやりくりが本当に大変です」と、困り果てた様子で話していた。
■「自助努力では限界」 運送業界は大打撃■
燃料価格の高騰が多方面に影響を及ぼす中、多保市の運送業、間口北近畿(塩見哲也社長)も苦境に立たされる企業の一つ。
同社は4トン、10トントラックなど計60台以上保有しており、北は京丹後市、南は大阪府枚方市までが配送範囲。燃料は1カ月に10万リットル以上使用するため、数円の価格上昇でも業績に大きな影響を与えるという。
塩見社長は「燃料価格の上昇で、業界全体が非常に大きなダメージを受けています」と話す。同社はこれまでから燃費向上のため、渋滞を避けるなどの効率の良い配送コースの荷主への提案や、ドライバーへ運転指導を実施し、燃料消費を抑えた運転方法を周知するなど、地道な対策をしてきた。
「嘆いても状況は変わらないからと、自分たちができることを徹底して取り組んでいます。ただ、もうそろそろ、どこの運送業者さんも自助努力での対応は限界が近いと思います。日本経済の根幹をなす燃料への支援対策を国には期待しています」と話していた。
燃料の高騰を受け、岸田文雄首相は8月30日、9月末までとしていた燃料価格の負担軽減策をめぐり、年末まで延長する考えを示し、「10月中には175円程度の水準を実現したい」と、段階的に補助金を拡充する方針を表明している。
写真(クリックで拡大)=市内でもガソリン価格の高騰が続く