台風7号:大江などで土石流、集落孤立
2023年08月16日 のニュース
近畿地方を北上した台風7号の影響で、京都府福知山市の北部方面では14日夜から15日夕にかけて強い雨が降り、大江や北陵地域で住宅に土石流が流れ込んだほか、床上、床下浸水が計46棟、孤立集落も発生した。16日午前9時現在、人的被害は報告されていない。
市は、警戒レベル4の避難指示を14日午後11時40分ごろ大江地域に、そのあと金山、雲原地域にも相次いで発令。更に15日午後2時から4時にかけて、上川口の牧川が氾濫危険水位2・1メートルを超過し、最高3・17メートルまで上昇したことから、市は牧川流域の21自治会の1202世帯2476人に対し、午後3時50分に警戒レベル4の避難指示を発令した。
避難指示はいずれも15日午後11時30分までに解除した。
■8月の観測史上最大 48時間で294ミリ■
気象庁などによると、坂浦で48時間雨量が8月の観測史上最大の294ミリに達したほか、14日午後9時から15日午後4時までの累加雨量は、大江町北有路の大雲橋で373ミリ、下野条で318ミリを記録した。
市によると、16日午前9時現在の被害状況は、大江と北陵地域で、民家12棟に土石が流入。床上浸水7棟、床下浸水39棟が発生したほか、一ノ宮3戸、大江町上野9戸、大江町市原13戸で断水。一ノ宮と大江町上野は15日中に仮復旧したが、大江町市原は資機材の搬入ができないため、復旧時期は未定。
■墓石も流され■
大江町では、地区を流れる川から土砂や木などが集落に流れ込み、大きな被害となっている。南三では流された空き家が川をせき止めて氾濫。小原田、小谷では住宅の孤立が発生するなど、市は16日朝から被災状況の確認調査に入っている。
土砂崩れなどで道路が寸断され、由良川左岸の同町小原田では24世帯46人、同町小谷では3世帯5人が孤立している。
河守地区では、流木が道路を塞いだ所もあり、16日早朝から、住民たちがスコップで泥をかき出すなどの作業に追われている。
河守清水区では、浄仙寺前の道に、山からの土砂や木が流出し、下流域の住宅地にまで押し寄せた。土砂のほか、墓地にあった墓石が流される被害も出た。
同寺の古寺忠夫住職(80)は15日午前0時ごろに、寺の前の道に濁流とともに木が流れていくのを確認した。土砂などの流出は夜明けまで続いたという。16日は住民らが協力し、土砂や流木の撤去にあたった。
写真(クリックで拡大)=住民たちが朝から土砂などの撤去にあたっている(16日午前9時ごろ、浄仙寺近くで)