コロナ再拡大 7月は医療逼迫
2023年08月06日 のニュース
福知山市内で新型コロナウイルスが再び感染拡大して、7月末には一時医療逼迫の瀬戸際になっていた。今は落ち着きを見せているが、人の往来が増える盆の時期を控えて再拡大が懸念される。5類移行で法的、社会的な扱いが変わった新型コロナ。市内の状況と注意点について、京都府中丹西保健所の笹島浩泰所長に聞いた。
同保健所管内(福知山市内)の新規感染者数は、定点医療機関5地点における7月17日~23日の一週間平均が26・00人(り患者数130人)、7月24日~30日は22・00人(同110人)でいずれも府内平均を上回って高い値となった。
以前のように市内全体の正確な感染者総数をつかむことはできないが、保健所や救急隊の現場レベルでは「肌感覚として、市内で大きな流行の波が来ている」と認識する。「7月末には確保病床が埋まって新たな入院の受け入れが危ぶまれる時期があった」と笹島所長。
市内の高齢者施設では、いくつかクラスター(感染者集団)が発生した。ただ、昨夏の流行第7波以前のころと比べると、感染力はやや強まっているものの重症化率は低くなっていることが特徴として見受けられるという。
コロナの感染症法上の位置づけが5月に2類相当から季節性インフルエンザと同じ5類に移行して、今は社会活動を止めずにコロナと付き合っていく方法を社会全体が模索している過渡期にある。
笹島所長は「過度に恐れる必要はないけれど、『もうないよ』というのも違う。『5類だから何をしても大丈夫』ではなく、みなさんの協力がないと公衆衛生は成り立ちません」と話す。
のどの痛みや発熱などの症状がある場合は、人混みを避けるなどの注意を促し、医療機関の受診を勧める。「今の時期はコロナ以外にも咽頭結膜熱、ノロウイルス、ヘルパンギーナ(夏風邪)なども考えられるので受診をお願いしたい。盆は帰省やイベントで多くの人の行き来があると思います。体調がおかしいと思ったら注意してほしい」と呼びかける。
府が設置する24時間対応の相談窓口がある。発熱症状などがある人は、きょうと新型コロナ医療相談センター=電話075(414)5487=、陽性者の症状悪化時の相談は府療養者相談ダイヤル=電話075(708)7159=へ。
写真=中丹西保健所