猛暑でも感染防止の重装備 汗だくの救急隊員
2023年08月06日 のニュース
猛暑日が続いた7月に、京都府福知山市内の救急出動件数が熱中症の増加などを要因に400件を超えた。昨年の1カ月平均は318件。新型コロナウイルス禍以降、救急隊員は感染防止レベルを上げた高気密の装備を着用していて、滝のような汗を流しながらの救急活動が続く。
コロナ流行で、救急隊員の出動時の装備が全国的に見直された。福知山市消防本部では、感染防止衣を気密性が高いものに変更し、シューズカバーも導入。必要に応じて付けていたゴーグルは、「必ず装着する」に改めた。
7月の救急搬送は、熱中症によるものだけで47件と例年にない多さで、コロナの感染拡大傾向でさらに増加した。
コロナの感染症法上の位置づけは季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げられてはいるものの、感染力は変わらず、熱中症の疑いで搬送して、後でコロナ感染だと判明したという事例もあって、感染防止対策に油断はできない。
救急隊員たちは「自分たちが感染するわけにはいかないので、感染防止対策を緩めることはできないが、今年の暑さは正直きつい」と漏らす。
着衣内は風を通さない“サウナ”状態で、重い機材入りリュックを背負って走ることもある。出動のたびに汗だくになるので「替えのシャツは7、8枚準備しています」と隊員は話す。
暑さ対策として保冷剤や空調ファンの活用を検討したが、感染防止力や救急活動に支障があるため断念。福知山消防署警防課の小林有紗救急係長は「水分を多めに取るなどの対応をして救急出動に備えています。まだまだ暑い日が続くので、市民のみなさんも熱中症には十分気を付けてほしい」と話し、命に関わるなど必要な場合は遠慮なく救急車を呼んでほしいと呼びかけている。
写真(クリックで拡大)=暑くても出動時の重装備は変わらない