榎峠バイパス工事本格化 トンネル築造へ準備進む
2023年06月02日 のニュース
京都府福知山市上豊富地区と兵庫県丹波市青垣町を結ぶ国道429号榎峠で、バイパス事業が本格化する。京都府は、事業の要となる「トンネル築造工事」について、7-9月の入札の発注見通しを5月31日に公表。現場では工事用道路づくりが進んでおり、2026年度の事業完了へ大きく動き出す。
【榎峠バイパス化工事事業区間】
榎峠は福知山市街地と兵庫県丹波市側を結ぶ東西連絡軸の生活道路だが、幅員が狭い上に急カーブが連続し、普通車の離合も困難で、特に冬場は通行するのに危険を伴う。
長く双方の市や地元住民組織が改善要望を続けて2020年度に事業化した。バイパス区間の総延長は2・4キロで、幅員7・5メートルの2車線を確保。京都府と兵庫県がそれぞれのバイパス起点から工事をして、トンネルの中間点で合流する。
京都府はトンネル500メートルを含む1・2キロ区間を担い、総事業費は21億7千万円。今年度は1億5600万円を計上して、トンネル入り口部分までの700メートル区間での工事用道路の築造に着手している。5月31日公表の工事発注見通しでは、トンネル築造と併せて工事用道路の追加分もある。
バイパスが開通すれば、福知山市街地から丹波市までの所要時間は現況から15分短縮して22分程度になる。単に時間短縮されるということでなく、時間や天候を気にせず「車で走れる道」になり、地域間交流や広域的な観光振興への期待は大きい。
府中丹西土木事務所の松原武司所長は「地元のみなさんの念願で、中丹西土木事務所にとっても花形事業。兵庫県と歩調を合わせてしっかりと取り組みたい」と意気込んでいる。
写真(クリックで拡大)=福知山側のバイパス起点付近で工事用道路の築造工事が進む(法用で)