部活地域移行の受け皿始動 サッカー協会長・片山さん

2023年02月25日 のニュース

 福知山サッカー協会会長の片山哲朗さん(65)=京都府福知山市=。それまで野球一筋だった中学3年生の冬、サッカーの全国高校選手権大会決勝戦を見て、魅力に取りつかれた。「ポジションがめまぐるしく変わって、誰にでもチャンスがあるのがおもしろい」

 当時はあまり人気がなく、「スポーツ用品店にボールがない時代」だった。地元のサッカー部の高校生にボールを借り、一緒になって夢中で追いかけた。

 進学した旧石原高校(現府立工業)で入部し、試合では「こてんぱんに負かされた」が、充実していた。顧問は、その後、歴代協会長にも名を連ねる大槻実さんと上山典雄さん。2人の影響を受け、体育教師をめざして大阪体育大学に進み、全日本大学選手権で3位になった強豪サッカー部で昼夜練習に励んだ。

 教師になり帰郷してからは、協会員として大会や教室を開き、低年齢層への普及に尽力。続々と少年団や部が設立され、福知山でサッカー熱が高まった。

 座右の銘は「最高の教師(コーチ)は子どもの心に火をつける」。どの子にもチャンスを与え、成功を思い切り褒める指導を心掛け、桃映中時代には近畿総体まで導いた。

 昨年、協会長に就任した。国が進める部活動の地域移行に向け、その受け皿の役割として、サッカーを楽しみたい市内の中学生が集う「グランツ」を始動した。「どんな子でもサッカーファミリーとして支えていきたい」

 教え子が今は指導者や保護者として応援してくれるのが何よりうれしい。「献身的な指導で子どもたちのレベルが上がっている」と喜ぶ。

 定年を機に家庭菜園を始めた。知り合いに教わるばかりで、「長く教壇、グラウンドに立ってきましたが、畑では生徒」と笑う。

 野菜も子どもの夢も、実を結ぶことを願い、真心を込めて育てている。

写真=「どんな子でもサッカーファミリーとして支えていきたい」と話す片山会長

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