福知山からJリーガーを サンガコーチが古里に戻りスクール開校

2023年02月09日 のニュース

 地元から日本を代表するJリーガーを輩出したい-。そんな熱い思いを抱き、京都府福知山市今安出身の元プロサッカー選手が、古里に戻ってきた。元ツエーゲン金沢のMF大槻優平さん(34)。引退後に京都サンガFCで育成コーチを務めた経験を生かして、4月から小学生対象のスクールを開校し、「サッカーを本気で楽しめる子を育てたい」という。

 大槻さんは、3歳上の兄の影響で小学1年からサッカーを始め、小学生のころは修斉サッカークラブ、中学では福知山ジュニアユースクラブに所属。弟でJ2レノファ山口FCの周平選手(33)ともども当時からともに実力があり、地元では有名なサッカー兄弟だった。

 高校は、親元を離れて京都府南部の西宇治(現・城南菱創)高校に通いながら、京都サンガユースに所属。トップチームへの昇格はかなわず、静岡県の浜松大学に進学したが、1年で東海北信越選抜に選ばれるなど、将来有望な選手の一人だった。

 しかし、3年のころにがんが見つかり、緊急手術を受けて半年ほど入院。「髪は抜けて体重は減り、サッカーのことは全然考えられなかった」というが、仲間や家族の支えが力になり、前向きになることができた。

 完治後は大学に戻り、大学サッカー部に復帰。全国大会での3位にも貢献した。卒業後の12年に当時JFLだった金沢に加入。J2にまで昇格したチームで、6年間現役で活躍した。

■引退後に京都サンガのアカデミーコーチに■

 17年に引退し、翌年からはサンガのアカデミーコーチに就任。トップチームの現キャプテン、川崎颯太選手(21)の指導にも携わり、現役時代は感覚的にしていた動きを、言葉で伝える難しさに直面しながらも、がむしゃらに選手と向き合ってきた。

 そして今年1月末、サンガのアカデミーコーチを辞め、次のステップとして選んだのは、地元で少年、少女たちにサッカーを教えることだった。

 きっかけは、21年度にサンガU12スペシャルコースの福知山会場ができ、コーチとして参加したこと。地元の子どもを指導するなかで、「この子たちに、もっとたくさんのことを教えたい。それが古里への貢献にもつながるのでは」という気持ちが芽生えたという。

■笑顔で挑戦できる選手の育成めざす■

 スクール名は、「クレリッサフットボールスクール」。スペイン語のクレセール(成長)、ソンリッサ(笑顔)を掛け合わせた造語で、「一人ひとりの成長に目を向け、どんなことも笑顔で挑戦する選手を育成したい」という思いを込めた。

 また「テクニック」「戦術」のほかに、ルール、マナーの順守といった「社会性」の育成も信念の一つに掲げる。対象は小学3~6年で、男女は問わない。各学年を15人程度の少人数にとどめ、3・4年、5年、6年の3コマに分けて指導する。

 場所は、兵庫県丹波市のスポーツピアいちじまで、全天候型多目的コートを使用する。5、6年は火曜日に各80分、3・4年は水曜日に70分のスクールを、夕方~夜に実施。受け入れる人数によっては、木曜日にも行う。

 大槻さんは「福知山ジュニアユースでも、2月から指導をしていて、スクールとユースで子どもたちを育成し、自分と弟に続くJリーガーを、地元から誕生させたいと思っています。また子どもたちとともに、一緒に成長できれば」と意気込んでいる。

 

写真上=スクール開設に向けて準備を進める大槻さん
写真下=プロ引退後に母校の成和中学校で講演し、後輩たちにリフティングを披露する大槻さん(2019年6月)

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